先手に形勢を戻す好手が生じた局面です。
馬を作らせるのと引き換えに☖8六歩 ☗同歩 ☖同飛 と8筋の突破を優先したのが好判断で後手ペースの中盤戦になったんですが…
飛車成りを受けた☗8八歩 に☖7六飛 と横歩を取ったのが悪く互角に戻りました。
一瞬の緩みを突き、働きに差がついた飛車を活用できれば先手も戦えます。
コレしかない捌きの好手を考えてみてください。
解答・解説は数行下にあります。
解答・解説
正解は☗6七飛(下図)と浮く手でした。
狙いは
- ☗7七飛 と交換を迫る手
- ☗8七飛 ~ ☗8一飛成 と成り込む手
といった単純なものですが、☖7六飛 の位置が悪く対処しにくいのが後手の悩み所です。
押さえ込めそうだった飛車が息を吹き返してしまい、やっちまった感がありまくりですね。
このままだと☗8七飛 ☖8六歩 ☗7七飛(下図)のような…
歩を使わせてから交換を迫る理想的な捌きあるので、後手としては何か対処しないといけません。
ちょっと気になった
- ☖8六歩
- ☖7八飛成
- ☖9三桂
を検討したのでこれらを元に続きを紹介します。
☗6七飛 に☖8六歩 の変化
☗8七飛 を嫌って☖8六歩(下図)と打ってきた場合は…
上図以下、☗7七飛(下図)
シンプルに飛車をぶつければ先ほどの理想形になります。
以下、☖同飛成 は☗同桂 で目的の飛車交換を達成できますし…
上図以下、☖6六飛(下図)
かわされても…
上図以下、☗7四飛(下図)
自然に飛車が捌けて好調です。
押さえ込まれる運命だった飛車が世に出たのは先手にとってありがたい流れですね。
☗6七飛 に☖7八飛成 の変化
当初の予定通り☖7八飛成(下図)と攻め合ってきた場合は…
こちらも狙い通り…
上図以下、☗8七飛(下図)
飛車の成り込みを見せれば充分です。
以下、☖8九竜 ☗8一飛成 と進んでも…
☖8七同竜 ☗同歩 と飛車交換になっても…
敵陣に飛車がいる状況に持ち込めるので不満はありません。
☗6七飛 に☖9三桂 の変化
先に桂をかわす☖9三桂(下図)には…
上図以下、☗8七飛(下図)
先ほどまでと似た狙いで指せば問題ありません。
以下、☖8五歩 なら☗7七飛 とぶつけて先手充分です。
桂を跳ねた利点を活かすなら…
上図以下、☖7八飛成 ☗8二飛成(下図)
飛車を成って「桂」「香」を拾い合う展開の方がいいでしょうか。
上図以下、☖8九竜 ☗9一竜 ☖9八竜 ☗9三竜 ☖8八竜(下図)
形勢は互角(±30くらい)ですが、先手の竜の位置がちょっと悪く少しだけ後手に利がありそうです。
劣勢だったのを考えれば互角に戻っただけで充分ですけどね。
今回の反省点
実戦は☖7六飛 を咎める☗6七飛 に気付かず…
雑な駒交換にいく☗4五銀(下図)と指してハッキリ先手不利になりました。
これは筋が悪すぎる…
上図以下、☖7九飛成 ☗4八飛 ☖8九竜(下図)
飛車の働きが大差になり、形勢は後手勝勢(-2000点)を示しています。
上図以下、☗5四銀 ☖同歩 ☗4五桂(下図)
ヤケクソで絡んでいきましたが…
上図以下、☖6六角 ☗5三銀 ☖4一銀(下図)
普通に受けられて無理でした。
このどうしようもない展開を見ると☗6七飛(下図)の良さがよく分かる…
せっかくのチャンスに微塵も気付かないんじゃ勝てるわけないわなぁ…
第一感では無理だとしても、少し考えたらこういう手が浮かぶようになりたいですね。
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