今回は、ぴよ将棋の級位に苦戦してる方向けに
Lv13 ひよか(5級)
との一局から「勝勢になるまでの 次の一手」を出題していきます。
級位ならではの疑問手を指してきた局面を元に
ミスをとがめる練習
をしながら
- 甘い手に気付く感覚
- 優勢から勝勢への持っていき方
などを養ってもらえればと思います。
第1問 軽すぎる仕掛け
先手の私が「ノーマル三間飛車」、後手のひよか(5級)が「居飛車」として駒組みを進めている所です。
☖6二銀 ~ ☖5一銀 と銀を受けに使ったのでやや攻め手が遅れてる中、いきなり☖7五歩 と突っかけてきました。
これが5級ならではの疑問手で、早くも先手有利になるチャンスがきています。
この軽すぎる攻めをとがめて有利を築いてください。
難しく考えず普通に対応すればOKです。
解答・解説は数行下にあります。
第1問の解答・解説
正解は☗7五同歩(下図)と取る手でした。
さすがに歩だけの攻めは軽すぎですね。
続く手がなく、一歩を取りながら7筋に位を取れた先手が有利です。
これは後手の右銀が攻めに参加していないから成立した手だったりします。
もし下図のように銀が6四に出てきた形で☖7五歩 と仕掛けられた場合…
素直に取るのはけっこう危ないです。
上図以下、☗7五同歩 ☖同銀(下図)
これは攻めの銀が急所に出られた1つの理想形で、次に☖8六歩 ☗同歩 ☗同銀 の攻めを狙われて忙しくなりますから。
一応、先手からも☗6五歩(下図)と角交換を迫り…
狙われた角を交換してしまえば互角を保てますが、「7五の銀」の圧が強いので好んで選ぶ変化ではありません。
このように
奇数列の5段目に銀が出た形
になると危ないので、できるだけそれを許さないのが大切ですね。
第2問 軽い攻めをしっかり受ける
本譜の進行に戻ります。
先ほどの☗7五同歩 に☖7二飛 と回ってきました。
「7五の歩」を取ろうとしていますが、さすがにそれは無理です。
歩を受けつつ、数手先の反撃を含みにした一手で有利な状態をキープしてください。
解答・解説は数行下にあります。
第2問の解答・解説
正解は☗6八角(下図)と引く手でした。
これで歩を取ることができず後手の攻めは止まっています。
ちなみに、ここは☗8八角 と引いても正解ですが、数手先に分かりやすい狙いがある☗6八角 の方がオススメです。
第3問 受けを疎かにしたスキを突く
数手進み、☗5六歩 に☖1二香 と甘い手を指してきた局面です。
ここは香を上がらず☖6四歩 のような手で攻めを見せながら先手の狙いを受ける必要がありました。
受けを疎かにしたスキを突き、大駒を活用して優勢になる一手を考えてみてください。
第2問の正解だった☗6八角 に続き、☗5六歩 と突いた意味を考えれば好手が見えるはず…
解答・解説は数行下にあります。
第3問の解答・解説
正解は☗4六角(下図)と上がる手でした。
これが☗6八角 と引いた時から狙っていた一手です。
後手陣を牽制する好位置の角で、振り飛車側の1つの狙い筋になります。
駒組みに不備があった後手は☗9一角成 が受けずらく25手目にして先手優勢がハッキリしました。
第4問 薄みを突く攻め
☗4六角 から☖6四歩 ☗同角 ☖9二飛(下図)と進み…
角を近づけてから香取りを受けてきました。
角は成れませんでしたが、もう1つの攻め筋があるので大丈夫です。
後手陣の急所を狙う一手を考えてみてください。
解答・解説は数行下にあります。
第4問の解答・解説
正解は☗7四歩(下図)と歩を伸ばす手でした。
後手の度重なるミスにより先手の攻め駒が7筋に集中し、7三の地点が弱点になっていたからこそ成立した一手です。
歩があれば☖7二歩 と打って耐えられますが、それがないので☗7三歩成 を受けるのが難しくなっています。
実戦は☖4四角 と受けを放棄したので☗7三歩成 と攻めて先手優勢の終盤戦に入れました。
第5問 軽い飛車浮き
前問の☗7四歩 に
「☖6二金 と受けてきたらどうするの?」
と思った方もいると思うので補足します。
ここから☗7三歩成 ☖同金 ☗同角成 ☖同桂 ☗同飛成(下図)と強引に突破しても優勢ですが…
もう1つ、軽く飛車を活用する手もあるのでそれを考えてみてください。
解答・解説は数行下にあります。
第5問の解答・解説
正解は☗7五飛(下図)と浮く手でした。
これは☗8五飛 と回る手を狙っていますが、この単純な狙いが受けにくく後手は忙しいです。
上図以下、☖6三銀 ☗4六角 ☖7二銀(下図)
銀を活用して☗8一飛成 を先受けするのがAI推奨の最善手ですが…
上図以下、☗8五飛(下図)
それでも飛車を回れば先手優勢です。
後手にコレといった手がないのを見越しています。
上図以下、☖4二銀 ☗7七桂(下図)
ゆっくり左桂を活用し、確実な攻めを狙えば比較的安全な勝ちを狙えます。
もし☖4二銀 ではなく☖6三金(下図)と「7四の歩」を取りにきた場合は…
上図以下、☗9一角成(下図)
ズバッと角を切る手が成立します。
上図以下、☖9一同飛 ☗8二飛成(下図)
飛車・銀の両取りが決まってハッキリ先手勝勢です。
こうなると☖6三金 と上がったのがマズかったのが分かりますね。
「後手に手がない」と判断できるのはこういう手を見越しているからです。
今は難しいかもしれませんが、色々な手を覚える内に分かるようになるので大丈夫ですよ。
第6問 飛車を取れば勝ち
本譜の進行に戻ります。
☗7四歩 に☖4四角 と一手パスのような手を指したので☗7三歩成 と「と金」を作れました。
次に☗8二と と飛車を詰まされたら終わりなので☖7一金 と受けてきたんですが、これは受けになっていません。
飛車を取りを含みに迫り、勝勢を決定づけてください。
解答・解説は数行下にあります。
第6問の解答・解説
正解は☗7二歩(下図)と金取りに打つ手でした。
これでどう対応しても後手はマズイ状況になります。
☖6一金 と逃げれば☗8二と(下図)で飛車が詰みますし…
かといって☖7三桂(下図)と「と金」を取っても…
上図以下、☗7一歩成(下図)
金を取られながら☗7三角成 の桂取りも見せられてジリ貧です。
本譜は☖7二同金(下図)と歩を取ってきましたが…
上図以下、☗7二同と(下図)
普通に取り返せば☗8二と が残って先手勝勢です。
上図以下、☖6三銀(下図)
もし角と「と金」の両取りに銀を上がってきたら…
上図以下、☗8二と ☖6四銀 ☗7二飛成(下図)
角と飛車を刺し違える☗8二と と指しておけば大丈夫です。
飛車を取る前に☗7二飛成 と王手で入っておき、次に☗9二と と飛車を取れば大差の終盤戦ですね。
あとは飛車を打ち込んで竜と飛車の2枚で迫る形を作れば勝てます。
実戦は☖6三銀 とは受けず☖2二玉 と囲ったので普通に☗9二と(下図)と飛車を取れてもっと大差の終盤になりました。
ここからゆっくり駒得をして迫ったのが先日出題した11手詰めになります。
興味がある方は挑戦してみてください。
最後に
ぴよ将棋 の5級前後のAIは序盤や中盤で分かりやすい疑問手を指してきます。
軽すぎる☖7五歩(下図)の仕掛け…
受けを疎かにする☖1二香(下図)など…
冷静に見れば変な手が多いので、こういうスキに気付ければ5級に勝てるようになりますよ。
仮に負けたとしても感想戦でミスを確認し、正着を頭に入れるのが勝利への近道です。
あからさまな疑問手に気付ける力をつけて級位のひよこを倒しちゃいましょう。
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