【きのあ将棋 攻略】揖斐 才蔵(つよ)には石田流に組んで疑問の突き捨てを待て【☖8六歩 への対応】

2024/11/03

きのあ将棋 攻略

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 今回は「きのあ将棋」の

揖斐 才蔵(つよ)

を先手番で攻略する手順を紹介します。

ノーマル三間飛車で対局を重ねた結果

  • 石田流に組ませてくれる
  • 駒組みの分岐点が存在する
  • そこそこの確率で疑問の突き捨てをしてくる

という3つのクセが見えてきました。

これらを利用するなら

スキのない駒組みで疑問手を待つのが有効

と分かったので、ポイントの局面まで誘う具体的な手順を紹介します。

絶対に成功するわけではありませんが、相手の形をある程度まで絞れるのが利点です。

石田流の練習に使える実用的な手順をお楽しみください。

石田流に組ませてくれる

先手が「私」、後手が「揖斐 才蔵(つよ)」です。

初手から、☗7六歩 ☖3四歩 ☗6六歩 ☖8四歩 ☗7八飛(下図)


まずは自然に三間飛車に振ります。

才蔵は居飛車党なのでここまでは確定事項ですね。

次の手が☖8五歩 ならノーマル三間飛車に絞られますが…

上図以下、☖6二銀(下図)


これまでの対局で1回も☖8五歩 を突かれたことはありません。

「石田流に組んでください」

と言わんばかりに100%☖6二銀 と上がってきます。

これには誘いに乗り…

上図以下、☗7五歩(下図)


石田流に向かいます。

上図以下、☖8五歩 ☗7六飛(下図)


7筋の歩を伸ばすと☖8五歩 を突いてくるので☗7六飛 と受ければ左辺は一段落ですね。

ここから才蔵の駒組みを左右する一手で形を絞ります。

☗3八銀 で「☖6四歩型」に誘う

左辺が落ち着いたので玉を囲うのが流れですね。

上図以下、☖4二玉 ☗4八玉 ☖3二玉(下図)


何の変哲もない駒組みですが、ここで才蔵の駒組みを左右する分岐点が存在しました。

なぜか分かりませんが、☗3八玉 と囲うと☖3三角 のように囲いを優先する傾向があり…

上図以下、☗3八銀(下図)


美濃囲いを確定させる☗3八銀 を指すと…

上図以下、☖6四歩(下図)


6筋の歩を突いて「☖6四歩型」を確定させてきます。

私は「本組み」+「腰掛け銀」から☗6五歩 と仕掛けるのが好きなので、争点ができる「☖6四歩型」がありがたいですが…

もし「☖5四歩型」や歩突きを保留した形が好きなら☗3八玉 で様子を見るのがオススメです。

この分岐点は形を絞って練習する時に使えます。

色々な形の石田流を練習したいなら使ってみてください。

スキを作らず疑問手を待つ

今回の手順は「☖6四歩型」を攻略していきます。

この歩を突かれたら☖6五歩 に警戒しながら駒組みを進めるのが大切です。

安定した形になるまでは「7九の銀」を動かさず角に紐をつけておき

  • ☖6五歩 を☗同歩 と取れる形を保つ
  • 致命傷になる角打ちのスキを作らない

を守っておけば大きく崩れません。

上図以下、☗5八金左(下図)


まずは金を上がり、☖6七角 の傷を消しておきます。

上図以下、☖6三銀 ☗9六歩(下図)


☖6三銀 には☗9六歩 と突き、☗9七角 を用意するのが無難です。

左辺の動きには左辺の駒組みを合わせる感じですね。

上図以下、☖4二金 ☗3九玉(下図)

玉の囲いも相手に合わせてついていきます。

才蔵は「金無双」か「左美濃」に組む傾向があるので☖4二金 で「金無双」が濃厚になりました。

上図以下、☖1四歩 ☗1六歩 ☖5四銀 ☗7七桂(下図)


☖5四銀 には☗7七桂 と跳ね、☖6五歩 を受けるのが大切です。

ここまで組めれば後手の仕掛けには対応できます。

上図以下、☖5二金上 ☗2八玉(下図)


ここからは後手の手のランダム性が増して絞れません。

  • ☖4四角
  • ☖8四飛
  • ☖5五銀
  • ☖9四歩

といった、どれも一局な手だったり…

上図以下、☖6三銀(下図)


本譜のように銀を引いて手損したり…

その時の気分で変わるようです。

こちらの方向性は

スキを作らず疑問の突き捨てを待つ

なので、どんな手でも陣形を整えることに専念すれば大丈夫です。

上図以下、☗9七角 ☖5四歩 ☗6八銀(下図)


着々と「本組み」+「腰掛け銀」を目指します。

上図以下、☖9四歩 ☗6七銀 ☖8三飛 ☗5六銀(下図)


ここまで組めれば先手から動くこともできるので満足ですね。

この辺りで

「モタモタしてるとマズイ」

と思うのか後手が疑問手を指してくる傾向があります。

端歩を突き捨てる☖9五歩 や…

上図以下、☖8六歩(下図)


飛車先を突き捨ててきたらチャンス到来です。

一歩を渡しただけで続く手が難しいからか、AIで検討すると先手有利(600点)くらいを示しています。

正しく指せれば勝てる流れに入っているようです。

☖8六歩 への最善の応手は☗同飛(下図)と取り…


上図以下、☖8六同飛 ☗同角 ☖8九飛 ☗7一飛(下図)


飛車交換から打ち合う流れのようですが…

これは後手にも色々な攻め手が生じ、ちょっと甘い手を指すと危うくなるのでオススメできません。

なので、☖8六歩 は☗同角(下図)と取り…


得した歩を使って定番の攻め筋を狙う方が実戦的に勝ちやすいと思います。

ここからAIに指し継いでもらったら見事な勝ちっぷりだったので、攻略の一例に紹介します。

AIのお手本 一歩得を活かした見事な勝ちっぷり

まずは寄せのキッカケを作る揺さぶりから入ります。

上図以下、☖8四飛 ☗4五銀(下図)


玉頭の歩を狙い…

上図以下、☖3五歩(下図)

☖3五歩 を誘ったのが後のスキを作る好手でした。

上図以下、☗4六歩 ☖8二飛 ☗5六銀(下図)

後手陣を乱した後は腰掛け銀に戻り…

上図以下、☖8四飛 ☗6五歩(下図)

定番の仕掛けで開戦します。

上図以下、☖6五同歩 ☗6四歩(下図)


☗6四歩 と手筋の叩きを入れられるのが一歩得した効果です。

上図以下、☖6四同銀(下図)


本譜は銀で取ってきたので…

上図以下、☗7四歩(下図)


石田流ならではの気持ちいい突き出しが決まりました。

2枚の大駒が急所に利くのが最高ですよね。

上図以下、☖6三金 ☗6五銀(下図)


銀取りを受ける☖6三金 に☗6五銀 と出るのが読みの入った一手です。

色々な駒がぶつかっていて怖いですが、AIはそんなのお構いなしなのが強い。

上図以下、☖7七角成(下図)


根元の桂を取る定番の反撃には…

上図以下、☗7七同角(下図)


堂々と角で取り、飛車を見捨てた寄せを見据えていたのがAIの深い読み筋でした。

以下、☖8七飛成(下図)には…


銀の紐が飛車についてるので…

上図以下、☗1一角成 ☖2二銀 ☗3四香(下図)


堂々と角を成り込み、☖3五歩 を突かせたスキを突く香打ちから迫れます。

上図以下、☖3三桂打 ☗6四銀(下図)


ガッチリ受けた桂打ちに☗6四銀 と大駒を見捨てて迫れば寄り筋です。

以下、☖1一銀 ☗6三銀成 ☖7六竜(下図)と馬と飛を取られても…


上図以下、☗5二金(下図)


金で貼りつけば手付かずの美濃囲いが遠く先手の勝ち筋ですし…

それを嫌って☗6四銀 を☖同金(下図)と取ると…


上図以下、☗3三香成 ☖同銀 ☗6六飛(下図)


死んでいた大駒が生還し…

上図以下、☖6五香 ☗1二角(下図)


右辺から馬で迫る形になり、これも先手の勝ち筋になります。


なので☗7七同角(下図)には…

飛車を成らずに…

上図以下、☖6五銀(下図)


銀を取ってきましたが…

上図以下、☗1一角成(下図)


これも角成りから…

上図以下、☖7六銀 ☗3四香(下図)


香打ちを決めれば寄り筋です。

上図以下、☖3三銀 ☗1二角(下図)


右辺から迫る角打ちが強烈ですね。

上図以下、☖3四銀 ☗2一角成 ☖4一玉 ☗3三桂(下図)


本譜は香を取りましたが、角成りから桂を打ち…

上図以下、☖5二玉 ☗3一馬 ☖6二金 ☗7三歩成(下図)


駒を取りながら迫って好調です。

☗7三歩成 は応手が難しい一手ですね。

以下、☖同金 は☗4一桂成 ☖同金 ☗5三銀 ☖6三玉 ☗6四歩(下図)と厳しく迫られ…


以下、玉を逃げると☗4一馬 と金を取られますし…

☖6四同金 と取っても☗同銀成 ~ ☗4一馬 と金2枚を渡してキツくなります。


なので実戦は☗7三歩成 を☖同桂(下図)と取りましたが…


上図以下、☗6三歩(下図)


この叩きが強烈で寄り形になりました。

以下、☖同玉 は☗4二馬 ですし…

☖同金 は☗4一銀(下図)があって受けになりません。


以下、☖同金 は☗同桂成。

☖6二玉 は☗4二馬。

☖5三玉 も☗4二馬(下図)があり…

以下、☖同玉 は☗5二金 ☖3一玉 ☗2一馬 までの詰み。

☖4四玉 は☗2一桂成 までの詰み。

☖6二玉 は☗5二銀不成 ~ ☗7五金 ~ ☗6四歩 と左辺からも迫る形を作れば寄りです。


本譜は☗6三歩 に☖6一金(下図)と逃げたので…


上図以下、☗4一桂成(下図)


桂成りから…

上図以下、☖4一同金 ☗5三銀 ☖6三玉 ☗4一馬(下図)


金を取り…

上図以下、☖7二玉 ☗7四歩(下図)


桂取りも決め…

上図以下、☖6九飛 ☗5九金寄 ☖7一飛成 ☗6四銀成(下図)


粘りの飛車も逸らし、切れない形を作って先手の勝ちになりました。

次の☗7三歩成 を受けても☗6六馬 と手厚く攻め駒を足す手もあって受けがないですね。


歩得を活かす☗6四歩(下図)から…

☗7四歩(下図)と突き…

☖6三金 の受けに☗6五銀(下図)と出てから寄せまでの流れは見事でしたね。

ちょっと間違えると危ういかもしれませんが、理想的な攻め筋の1つなので覚えておくと良さそうです。

今回のような形になった時にお役立てください。

揖斐 才蔵(つよ)攻略のまとめ

才蔵に三間飛車(下図)をやると…

☖6二銀(下図)と上がって石田流を許可するクセがあります。

この誘いに乗って☗7五歩(下図)から石田流に組み…

駒組みのクセを突けば形を絞って戦えます。

玉を囲い合う流れ(下図)になったら「3八」の囲い方が分岐点です。

ここで☗3八玉 なら左辺の歩を保留する感じに進み…

☗3八銀(下図)と美濃囲いを宣言すると…

ほぼ100%☖6四歩(下図)と突くので…

「☖6四歩型」に誘導することができます。

ここはお好みの形に誘導してください。

「☖6四歩型」に誘導した場合は、スキを作らず「本組み」+「腰掛け銀」(下図)を目指し…

駒組みが頂点に達した頃に指しがちな「疑問の突き捨て」を待つのが有力です。

☖9五歩 や☖8六歩(下図)を突いてきたら…

一歩得を活かした攻めを狙えば有利に戦えます。

オススメは☗8六同角(下図)と取り…

機を見て☗6五歩 ☖同歩 ☗6四歩(下図)の攻めを狙う展開です。

石田流の理想的な攻めが決まって気持ちいいですし、寄せ切るまでの練習もできて棋力アップに繋がると思いますよ。

才蔵への勝ちパターンの1つとしてお試しください。

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