今回は ぴよ将棋 の
Lv28 ピヨ矢(四段)
に「後手番 石田流」で挑み、ボロカスにやられた一局をAIに指し継いでもらったら参考になる手がいくつもあったので
勝負所の正着
を「次の一手」にして振り返ってみました。
全部で6問あります。
四段を攻略するヒントとして楽しんでもらえたら嬉しいです。
第1問 ☗6六角 と穴熊のギクシャク感を咎める
後手の石田流に対し、先手のピヨ矢(四段)は☗6六角(下図)から持久戦模様の駒組みを目指してきました。
現状の ぴよ将棋 は持久戦を目指す時に☗6六角 と上がることがけっこうありますね。
ここからミレニアムにいけば自然だったんですが、本譜は下図のように穴熊を目指したので…
☗6六角 を咎める手が生じました。
機敏に動き穴熊に組ませない手を考えてください。
解答・解説は数行下にあります。
第1問の解答・解説
正解は☖5四銀(下図)と出る手でした。
角の位置が悪く、次の☖6五銀 ~ ☖7六銀 と歩を取りにくる手が受けにくいですね。
以下、☗5六銀 なら☖3六歩(下図)と仕掛けて後手が指しやすくなるので…
受けるなら☗7七桂(下図)と跳ねるしかありませんが…
こうなると穴熊を目指した☗9八香 との兼ね合いが悪く先手が損をしています。
ミレニアムでも穴熊でもない中途半端な囲いになって後手としては悪くない流れですね。
上図以下、☖6四歩(下図)
この歩突きで窮屈な角を牽制すればやや後手ペースの中盤戦です。
第2問 仕掛ける前の大切な一手
☖6四歩 に☗7八金寄 と指した所が第2問です。
ここからAIに指し継いでもらいました。
「6九の金」が浮いたのですぐに☖4五歩 と仕掛けても良さそうですが、その前に指しておきたい急所の一手があります。
ヒントは「角の働きを弱める」です。
類似形でいつもAIに指摘される定番の一手を考えてみてください。
解答・解説は数行下にあります。
第2問の解答・解説
正解は☖6五歩(下図)と角取りに突く手でした。
これが何度もAIに指摘されていた一手です。
単に☖4五歩 と仕掛けると数手後に☖4五桂(下図)と跳ねた時…
上図以下、☗1一角成(下図)
香を取りながら馬を作られるまでがセットになりますが…
こうなると実戦的に難しくなるので可能なら
仕掛ける前に角筋をそらしておく
のが大切になります。
☖6五歩 以下、☗7五角 ☖4五歩(下図)と仕掛けた本譜の進行を見ればその効果が分かりますね。
角がそっぽにいったので堂々と桂を跳ねられます。
たった一手で不備を削す☖6五歩 は必修の手筋としてご記憶ください。
第3問 定番の攻め筋が劣る理由を考える
☖4五歩 以下、☗同歩 ☖同桂 ☗4六歩 と進んだ所が第3問です。
桂を取られる前に攻めないといけませんが、どう攻めるのがいいでしょうか。
☗7五角 の形では定番の☖3七桂成 ~ ☖3六歩 が少し劣ります。
それでも後手有利なのは変わらないので問題はないんですが、ちょっと違う攻め筋も考えてみてください。
解答・解説は数行下にあります。
第3問の解答・解説
正解は☖3六歩(下図)の突き捨てを入れてから…
上図以下、☗3六同歩 ☖7四歩(下図)
角に働きかける一手でした。
この将棋は先手の角を働かせないのが急所みたいですね。
上図以下、☗6四角 ☖5七桂成(下図)
「5七」に利いた角筋をそらし、シンプルな桂成りを決めるのがAI推奨の手順です。
上図以下、☗9一角成 ☖4七成桂(下図)
香と銀を取り合いましたが、3~4筋を支えていた銀がいなくなった損失の方が大きく後手優勢の中盤戦です。
次に☖8二銀 と馬を封じれば完封模様ですね。
この続きは次問で出題するので、なぜ定番の☖3七桂成(下図)が劣るのかを補足します。
上図以下、☗3七同桂 ☖3六歩(下図)
桂取りに歩を突けば攻めは成立していますが…
上図以下、☗4五桂(下図)
角の利きを活かす桂跳ねが地味に厳しく、ちょっと反撃の余地を与えるのがマズイようです。
☗5三桂成 だけじゃなく☗6四桂 の両取りもあって受けにくいですね。
上図以下、☖4五同銀 ☗同歩 ☖3七歩成(下図)
桂を取って☖3七歩成 を決めれば後手有利ですが…
上図以下、☗6四桂(下図)
囲いに手を付けられて面倒です。
玉が薄くなると逆転の余地が生まれるのでこういう変化は避けた方が良さそうですね。
第4問 急所の攻め駒を見極める
前問の☖4七成桂 以下、☗6四香 ☖5一金寄 ☗5五歩 と進んだ所が第4問です。
厳しく攻められていますが、ここで急所の駒を封じれば後手ペースになります。
正しい受けの一手を考えてください。
解答・解説は数行下にあります。
第4問の解答・解説
正解は☖8二銀(下図)と馬を封じる手でした。
この馬さえいなくなれば先手の攻めは続きません。
以下、☗同馬 ☖同玉 ☗5四歩(下図)の2枚替えには…
上図以下、☖5四同飛(下図)
根元の香を取りにいけば受け切り模様になります。
なので本譜は馬を切らず、単に☗5四歩(下図)と銀を取り…
上図以下、☖9一銀 ☗4五銀(下図)
飛車に絡む手を選択してきました。
☖3六飛 や☖5四飛 を防いで簡単に負けない方針のようですが、ここで正しく指せれば後手勝勢になります。
第5問 決め所を逃さない
飛車を逃げるとちょっと紛れるので決めにいく手を考えてください。
ヒントは「飛車の取り合いは歓迎」です。
解答・解説は数行下にあります。
第5問の解答・解説
正解は☖4六角(下図)と飛び出す手でした。
飛車だけじゃなく「6四の香」を取る手も見た攻防手ですね。
これがどう指されても対応できる決め手でした。
以下、☗3四銀(下図)と飛車を取る手が気になりますが…
上図以下、☖2八角成 ☗5三歩成 ☖同金 ☗3一飛(下図)
こちらも飛車を取り、飛車の打ち込みに…
上図以下、☖4一歩(下図)
ガッチリ受ければ問題ありません。
上図以下、☗4二歩 ☖6四馬(下図)
香を取ってしまえば怖い所がないですね。
上図以下、☗4一歩成 ☖6二金 ☗5一と ☖8二玉(下図)
流れに乗って☖8二玉 と囲えば、攻め駒が乏しい先手にはこれ以上迫る手がありません。
飛車を取り合う☗3四銀 は負けと判断したのか、本譜は☗2七飛(下図)とかわしました。
上図以下、☖3八角 ☗2六飛 ☖3一飛(下図)
これには☖3八角 と飛車取りに当てながら成桂を受け、それから☖3一飛 と逃げれば先手に手がありません。
後手の完封勝ちが目の前ですね。
ちなみに、正解の☖4六角 ではなく単に☖3一飛(下図)と逃げると…
上図以下、☗2四歩(下図)
この歩突きで角を封じられて少し紛れます。
後手優勢ではありますが、正解手の明快さと比べると劣りますね。
第6問 寄せの決め手
数手進んで寄せの決め手が生じた局面です。
☖4七角成 の金取りに☗5九金 と逃げた所ですが、ここで寄り形に持ち込む好手がありました。
「4六の角」を攻めに参加させながら守備駒の連結を断つのがポイントです。
解答・解説は数行下にあります。
第6問の解答・解説
正解は☖6七成桂(下図)と寄る手でした。
「4六の角」を急所に利かせながら金銀の連結を断つ強烈な一手ですね。
以下、☗同金 なら☖7九角成(下図)で受けが難しいですし…
「受けてもムダ」
と判断して☗2三歩成 と攻め合うと☖7八成桂(下図)の金取りから…
上図以下、☗7八同銀 ☖7九角成(下図)
角を成り込まれて負けが確定します。
以下、☗8九銀 には☖6四金 と香を取ったり、☖4六馬左 と銀取りに引けば勝ちですね。
先手には有効な攻め手がないのでゆっくり指せば大丈夫です。
最後に
AIに掛かれば四段なんて朝飯前みたいですね。
同じ局面から指したとは思えない見事な勝ちっぷりでした。
特に覚えておくと良いのは仕掛ける前の☖6五歩(下図)ですね。
これは石田流を指すと色々な形で指摘されるので
仕掛ける前に角をそらす
のを意識すると勝率が変わるかもしれません。
もし類似形になった時はお試しください。
0 件のコメント:
コメントを投稿