今回は、ぴよ将棋 の
Lv11 ひよ音(7級)
に「先手番 相掛かり」で挑んだ一局を題材に
7級ならではのミスを咎める次の一手
を5問 出題します。
級位に勝つために必要な
- あからさまな悪手に気付く感覚
- その悪手を咎める対応力
を鍛え、勝つまでの流れを掴んでもらえたらと思います。
第1問 早すぎる☖7四歩 を咎める
本局は下図のような「横歩取り模様」で始まりました。
ここで☗3四飛 と歩を取るのが自然ですが、角交換から乱戦になる変化が苦手なので…
上図以下、☗2六飛(下図)
おとなしく飛車を引いて「相掛かり」にしたら…
上図以下、☖7四歩(下図)
予想外のミスをしてきたのが最初のポイントです。
飛車が不安定な状態で7筋の歩を突いたのは危険でした。
ここで後手陣の不備を突く「3手1組の好手順」が見えれば大きな駒得ができて優勢になれます。
ヒントは「王手飛車」です。
序盤早々のミスを咎めてください。
解答・解説は数行下にあります。
第1問の解答・解説
正解は☗2二角成(下図)の角交換から…
上図以下、☖2二同銀 ☗9五角(下図)
☗9五角 の王手飛車を決める手でした。
☖7四歩 によって玉のラインが開いた欠点をキッチリ咎めてますね。
初心者の頃はけっこう食らいがちな筋じゃないでしょうか…
飛車が浮いていて、いつでも角交換ができる時は常に「王手飛車」に気を払うのが大切です。
7級くらいだとこういうミスをしがちなので、それに気付ければ早々に優勢になれますよ。
上図以下、☖6二銀 ☗8六角(下図)
飛車を取って一安心と思いきや…
後手からも「浮いた飛車」を狙う反撃があるので補足します。
上図以下、☖4四角(下図)
飛車・香の両取りを狙う☖4四角 がその一手です。
これには…
上図以下、☗6六飛(下図)
飛車で受けておけば問題ありません。
上図以下、☖6六同角 ☗同歩 ☖7一金(下図)
飛車・角交換の後に飛車の打ち込みを受ける感じに進むのが一例です。
以下、ゆっくりした展開がいいなら☗3八金 と自陣を整え…
攻めを重視するなら☗8四飛 ☖8二歩 ☗8三歩 から竜を作りにいく感じですね。
いずれも角得が大きく先手優勢です。
第2問 後手の攻め手を奪う
本譜の進行に戻ります。
本譜は、王手飛車を狙う☗2二角成 に…
上図以下、☖8九飛成(下図)
角を取らず飛車を成り込んできました。
☗9五角 を避けた手ですね。
これだと王手飛車は決まりませんが…
上図以下、☗1一馬 ☖3三桂 ☗2一飛成(下図)
☗1一馬 と香を取れば角得なので先手優勢なのは変わりません。
飛車も成り込んで、次に☗3三馬 ☖同金 ☗3一竜 の攻めを狙えば先手優勢とAIは示しています。
ただ、後手からも☖8六桂 の早い反撃があるので級位者が勝ち切るには難しい変化かもしれません。
そこで第2問です。
☖8九飛成 の所で落ち着いた局面に持ち込む手を考えてください。
ヒントは「強力な攻め駒を消す」です。
解答・解説は数行下にあります。
第2問の解答・解説
正解は☗8八馬(下図)と引いて竜を捕獲する手でした。
要の竜を消してしまえば後手に早い攻めがなく落ち着いた局面に持ち込めます。
上図以下、☖8八同竜 ☗同銀(下図)
馬と竜を交換した上図は☗2一飛成 の先手を取りながら飛車得をしてる先手優勢の中盤戦です。
ゆっくりした将棋になれば駒得が活きますね。
激しい寄せ合いが苦手ならこういった展開を目指すのも1つの勝ち方として有力です。
第3問 ミスを利用した攻め
馬と竜を交換した後、☖2五歩(下図)と叩かれ…
上図以下、☗2五同飛 ☖2二歩(下図)
それを取ったら☖2二歩 と普通に受けてきました。
てっきり☗2五同飛 の所で☖1四角(下図)と打ち…
上図以下、☗2一飛成 ☖4七角成(下図)
馬を作りにくると思ってたんですが、これは攻め合い負けと気付いて妥協したのかもしれません。
以下、☗2四桂(下図)が厳しい攻めで…
上図以下、☖1四馬 ☗3二桂成 ☖同馬(下図)
頑張るなら馬を引くしかなく、これだと馬を作った意味がありません。
上図以下、☗3二同竜 ☖同銀 ☗3一飛(下図)
あっさり竜と馬を交換し、☗3一飛 と打てば一方的に攻めている先手が良いですね。
☖2五歩 と打ってから妥協するのが7級ならではのミスかもしれません。
ここで第3問です。
「2五」に吊り上げられた飛車を活かし、後手陣のスキを突く手を考えてください。
ヒントは「飛車の成り込みを狙う」です。
解答・解説は数行下にあります。
第3問の解答・解説
正解は☗8五飛(下図)と回る手でした。
歩切れなので飛車成りが受けにくいですね。
以下、☖7二銀 なら☗8二飛成 ☖6四角 ☗8七竜(下図)のような展開が考えられ…
☗8五飛 に軽く☖7三桂(下図)と逃がしてきたら…
上図以下、☗8一飛成 ☖6五桂(下図)
桂を活用して反撃を狙われる展開が考えられます。
どちらも竜ができた先手が優勢ですが、☖7三桂 ~ ☖6五桂 の変化は急所の「5七」を狙われてちょっとだけ嫌な気がしないでもないですね。
実戦は☗8五飛 に☖8二桂(下図)と受けたので…
上図以下、☗8三歩(下図)
桂得が確定してさらに形勢が良くなりました。
第4問 大駒を切る寄せ
桂得が確定してから十数手後の局面が下図です。
☗5五飛 ~ ☗2六角 と「5三」を狙ってから☗4一飛 と打ち込んだら☖5一金 と受けてきました。
☗2一飛成 とゆっくり指しても勝ちですが、ここは一気に寄せた方が明快です。
大駒を切って玉を薄くする5手1組の好手順を考えてみてください。
解答・解説は数行下にあります。
第4問の解答・解説
正解は☗5三角成(下図)から…
上図以下、☖5三同銀 ☗同飛成(下図)
続けざまに飛車も切り…
上図以下、☖5三同玉 ☗5一飛成(下図)
玉を上部へ追い出しながら迫る手でした。
普通は下段へ落とす方がいいんですが、今回は「7三の銀」と「3二の金」が受けに利いてるので、それらが働きにくい上部へ送った方が寄せやすいです。
以下、☖5二飛 なら☗5四金(下図)と捨て…
上図以下、☖5四同玉 ☗5二竜(下図)
飛車を取りながら迫れば一手一手の寄りです。
自陣の駒が待ち構えてるので入玉される心配もなくゆっくり迫れば勝てます。
実戦は☗5一飛成 に☖5二角(下図)と受けてきたので…
ゆっくり迫る5手必至が生じました。
それを第5問として出題します。
第5問 勝ちを決める5手必至
級位者には少し難しい5手必至かもしれません。
2つの詰みを狙う初手で退路を断ち…
それを受けた手に対応しながら包囲すれば必至になりますが…
ちょっと応手を読むのが難しいので「退路を断つ初手」だけ見えればOKです。
解答・解説は数行下にあります。
第5問の解答・解説
まずは☗5五金(下図)と上部を押さえるのが急所の一手です。
後手玉を狭くしながら☗5四銀 の1手詰めと…
☗7一角 ☖6二桂 ☗同角成 ☖同銀 ☗4五桂 or ☗6五桂 の5手詰めを狙った手で…
これだけでほぼ必至になっています。
受けるなら☖4二桂(下図)と打つのが正着ですが…(☖6二桂 は☗7一角 までの3手必至)
これには☗7一角(下図)と王手を掛け…
上図以下、☖6二飛 ☗4一銀(下図)
飛車を使わせてから☗4一銀 と打てば必至です。
持ち駒がない上に、守備駒の「飛」と「角」が動けないので☗5二竜(下図)の1手詰めがどうやっても受かりません。
持ち駒も考慮したちょっと難しい手順でしたね。
最後に
ぴよ将棋 の7級くらいのAIは序盤 ~ 中盤に大きなミスをする傾向があります。
今回なら序盤に突いた☖7四歩(下図)が致命傷になるミスでした。
こういう手を見た時に
「あ、王手飛車が狙える」
と気付き、それを達成する手を指せれば7級には楽に勝てるようになりますよ。
今はAIを使えば「ミスをした所」と「最善手」がすぐ分かるので、対局後に検討するクセをつけるのが大切ですね。
そうやって「序盤の悪手」と「咎める手順」を1つずつ頭に入れていけば
「この手は無理っぽい…」
「なんか反撃する手があったような…」
とミスに反応して咎められるようになっていきますから。
7級に勝つためのヒントとしてお試しください。
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