今回は ぴよ将棋 の Lv17 ひよえ(1級)に
先手番 石田流
で挑んだ一局でミスをした局面を元に
- 惑わしの歩
- それを看破する正しい攻め筋
を「次の一手」として出題します。
実戦で使える手筋を考えながら1級に勝つための対応力を鍛えてもらえたらと思います。
問題図までの手順(AI推奨の攻め筋も解説)
いきなり問題図を見るより手の流れを見た方が分かりやすいのと…
途中でAIに指摘された正しい攻め筋が参考になったので、仕掛けた所から振り返ります。
すぐ問題図を見たい方は次の見出しまで飛ばしてください。
上図はポイントの局面になる9手前です。
先手の石田流に、後手は急戦模様の駒組みをした所ですね。
ぴよ将棋 特有の「早すぎる8筋の突き捨て」を逆用してのびのびした陣形になってるのでやや先手有利です。
☖4四銀 と角道を止めたのが疑問と判断して仕掛けました。
上図以下、☗7四歩(下図)
手薄な7筋を狙うのが定番の一手ですね。
以下、☖同歩 は☗6四角(下図)と飛車取りに覗く手が絶好なので…
本譜は歩を取らず☖6二金(下図)と補強してきました。
今回の本題とは違いますが、ここが攻めの急所になる局面だったらしく…
上図以下、☗6四角(下図)
角を出ていれば強烈な攻めが決まっていたようです。
このままだと☗7三歩成 から破られてしまうので…
上図以下、☖8三飛 ☗8六飛(下図)
飛車を浮いて受けますが、そこで☗8六飛 と回り…
上図以下、☖6三金 ☗8四歩(下図)
飛車を責める展開にすれば先手優勢でした。
以下、☖6四金 ☗8三歩成 の取り合いは2枚飛車の攻めが厳しく残りますし…
上図以下、☖8二飛 ☗8三歩成 ☖5二飛 ☗4六角(下図)
飛車を逃げたら☗4六角 と冷静に対応して…
上図以下、☖7四金 ☗7三と(下図)
飛車の成り込みを狙えば後手は受けに困ります。
上図以下、☖8五歩 ☗7六飛 ☖7三金 ☗6五桂(下図)
☖8五歩 からは一例ですが、☗6五桂 と自然に駒を活用できた上図は先手が気持ちいい展開ですね。
本譜の進行に戻ります。
実戦は☖6二金 の受けに☗6四角 の攻めが見えなかったので☗7三歩成(下図)と攻めていきました。
上図以下、☖7三同金 ☗7四歩(下図)
拠点を作る平凡な攻めですね。
これはこれで悪くなく正しく指せれば先手ペースです。
上図以下、☖6三金 ☗6五歩(下図)
角筋を活かして6筋を狙い…
上図以下、☖6五同歩 ☗6四歩(下図)
気持ちよく攻めが決まったかに見えましたが、ここで後手から惑わしの一手が飛び出しました。
第1問 ひよえの好手「惑わしの歩」
ようやく第1問です。
金取りの叩きに☖6二金 と引くと☗6五桂 ~ ☗7三歩成 と調子のいい攻めを食らってしまいます。
そうなる前にちょっと反発したい所です。
先手の思い通りにさせない受けの手筋を考えてみてください。
大駒の働きを弱めるのがポイントです。
解答・解説は数行下にあります。
第1問の解答・解説
正解は☖7五歩(下図)と打つ手でした。
駒の利きが重なった所に打つ「焦点の歩」と呼ばれる手筋ですね。
角で取ると飛車の利きが止まり…
飛車で取ると角の利きが止まる…
たった1歩で急所に利いた大駒の働きを弱める上手い手です。
石田流では急所になる一着なのに完全に見落としてましたよ…
「気持ちよく攻めが決まった!」
と思った所で思わぬ反撃を受けて動揺し、本譜は対応を誤って形勢を大きく損ねました…
局後に検討したら
「正しく応じれば先手優勢」
「ハズレの応手は1つだけ」
と示され、唯一の間違いを選んだ弱さにガックリ…
こういう所で根本的な実力が分かるのかもしれませんね…
第2問 「焦点の歩」への正着は?
愚痴はこの辺にして「次の一手」第2問です。
対応の難しい歩ですが、正しく指せれば優勢のまま終盤に入れます。
- 取るならどちらの駒か
- 取らないとしたらどんな手があるか
色々と迷うかもしれませんが、その中から形勢を損ねない一手を考えてみてください。
ヒントは「踏み込む」です。
解答・解説は数行下にあります。
第2問の解答・解説
正解は☗6三歩成(下図)と飛車を見捨てて踏み込む手でした。
これが飛車の打ち込みに強い利点を活かす振り飛車らしい一手で、飛車を使われる前に
- 盤上の「と金」「角」「桂」
- 持ち駒の「金」
を使って先に食い付く形にすれば勝てるという判断のようです。
上図以下、☖7六歩 ☗6五桂(下図)
この桂跳ねが気持ちいいですね。
以下、☖8五飛 と走るのは☗7六金(下図)というピッタリした受けがあり…
上図以下、☖8四飛 ☗5二金(下図)
狙い通り食い付いて先手優勢になります。
なので☖8五飛 ではなく☖8六歩(下図)と怪しい歩を打つのが最善と示されました。
これを☗同角 と取ると、今度は☖8五飛(下図)が好手になり後手有利(-500点)になります。
以下、角・桂の両取りを受ける☗7六金 は☖8六飛 ☗同金 ☖6八飛(下図)と飛車を打ち込まれてしまうので成立しません。
なので☖8五飛 には☗5三桂不成(下図)と攻め合う手が示されましたが…
上図以下、☖8六飛 ☗8七歩 ☖8三飛 ☗4一桂成(下図)
角を取られるのが厳しく…
上図以下、☖4一同玉 ☗7三歩成 ☖同桂 ☗5二金(下図)
どうにか食い付いても…
上図以下、☖3二玉 ☗7四歩 ☖6五桂 ☗7三歩成 ☖8一飛(下図)
冷静に受けられると攻めが細くて決めきれません。
次の☖7七歩成 や☖5七桂打 の反撃が早く後手優勢(-1300点)と示されています。
なので☖8六歩 は取らず、冷静に☗2八玉(下図)と囲い…
安全にしてから☗7三歩成 を狙うのが正着です。
ボーっとしてられない後手は急がしいですね。
以下、☖8五飛 には☗7六金 で受かりますし…
☖8七歩成 からムリヤリ攻めてきても☗6四角(下図)と出れば問題ありません。
以下、☖7八と なら☗8二角成。
☖8五飛 なら☗7六金 ~ ☗7三歩成。
☖8三飛 なら☗7三歩成 と、玉の遠さを活かしながら確実に迫れば先手の勝ちです。
☗6三歩成 と踏み込む手順の解説が終わった所で
- ☗7五同角
- ☗7五同飛
と歩を取る手の解説に移ります。
☖7五歩 に☗同角 の変化
歩を取るなら☗7五同角(下図)が正着でした。
上図以下、☖7四金 ☗6三歩成(下図)
飛車の利きが止まり☖7四金 と角を責める手が生じましたが、角と金の交換は問題ないので☗6三歩成 と角筋を通し…
次に☗4二角成 ☖同金 ☗7四飛 と金を素抜く手を見せれば形勢は悪くありません。
上図以下、☖7五金 ☗同飛 ☖6六歩 ☗6八金(下図)
角・金交換の後は冷静に受けに回り…
上図以下、☖7三歩 ☗2八玉(下図)
玉を安全にしてから☗7四歩 ☖同歩 ☗同飛 と7筋を狙えば先手ペースです。
(単に☗7三と には☖6四角 の受けがあって少し面倒)
☖7五歩 に☗同飛 の変化
唯一のハズレが☗7五同飛(下図)と取る手でした。
これは先手優勢(1000点)だった形勢を互角(±50点)に戻してしまう悪手です。
上図以下、☖6四金(下図)
急所の歩を取られながら飛車を責められるのはマズイですね。
以下、☗7六飛 は☖7五歩 と押さえられて酷いです。
6三に「と金」がないと攻めの手掛かりがなく戦えません。
ここが☗7五同角 との大きな違いです。
精一杯頑張るなら☗7三歩成(下図)から飛車の取り合いにいくしかありませんが…
上図以下、☖7五金 ☗8二と ☖6六金(下図)
得な形で取れるはずだった金をキレイに捌かれてしまい、正着の変化とは明らかに劣っているのが分かりますね。
以下、☗6八金 は☖7六歩 の桂取りから形を乱されて飛車を打ち込まれますし…
☗6六同金 と取っても☖同歩(下図)と取り返された形が薄くて嫌な形です。
次の☖7六歩 や☖6七歩成 ☗同銀 ☖6九飛 から攻め込まれてやや後手ペースの終盤戦です。
今回の反省点
正しく応じれば問題ない焦点の☖7五歩(下図)に…
唯一のハズレだった☗7五同飛(下図)を指したのは痛かったですね。
石田流は
「捌けるなら角と金の交換は痛くない」
って感じがあるので取るなら角一択ですし…
振り飛車らしく☗6三歩成(下図)と踏み込む手が見えてなかったのも酷すぎる…
こういう基本的な判断を間違える内は苦労が続きそうです。
とりあえず「取るなら角」くらいは覚えておこうと思います。
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