【次の一手20】大駒を縛る受け と 駒損を避ける凌ぎ

2024/09/07

次の一手

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 今回は ぴよ将棋 の ひよ花(四段)に「ノーマル三間飛車」で挑んだ一局から

  • 大駒を縛る受け
  • 駒損を避ける凌ぎ

の2つを出題します。

対石田流でちょっと使えそうな手筋 と 中盤の凌ぎ をお楽しみください。

第1問 大駒を縛る受け

まずは居飛車の好手からいきます。


上図はポイントの局面になる3手前です。

☖5二銀 と引き締めてからの方がよかったみたいですが、本譜はここで仕掛けました。

上図以下、☖3六歩 ☗同歩 ☖4六角(下図)


3筋を突き捨てて角を出る定番の手順ですね。

次に☖1九角成 と香を取られたらダメなので何か受けないといけません。

角を自由にさせない3手1組の手筋を考えてみてください。

解答・解説は数行下にあります。




第1問の解答・解説

正解は☗3五歩(下図)と突く手でした。


軽い突き出しで飛車・角の両取りを掛ける定番の一手ですね。

以下、☖1九角成 は☗3四歩 と飛車を取られますし…

☖3五同飛 は☗4六飛 と角を取られてしまうので…

上図以下、☖3五同角(下図)


角で歩を取るしかありません。

次の一手が大駒を縛る好手です。

上図以下、☗3六飛(下図)


飛車を寄り、角の動きを制限すれば後手は動きにくいですね。

これは「角切りが王手にならない形」を活かした受け方になります。

もし下図のように5筋の歩を突いたり、すでに突いている形の場合は☗3六飛 は成立しません。

なぜなら…

上図以下、☖6八角成(下図)


角切りが王手になると…

上図以下、☗6八同金 ☖3六飛(下図)


飛車を素抜く手があるからです。

ちょっとした違いで結果が変わるので☗3五歩 ~ ☗3六飛 の受けを使う時は注意してください。

第2問 駒損を避ける凌ぎ


☗3六飛 で縛られてから数手進んだのが上図です。

大駒が動かせないので1筋から動いて香を取ったら、先手も角を成り込んで香を取ってきました。

その香を☗3九香 と打ってきた所がポイントの局面です。

単純ながら次の☗3五飛 が受けにくく

「角損が避けられねぇ… 上手くやられちまった…」

と思いましたが、AIで検討したら評価値はやや後手有利(-200 ~ -300点)を示しており、正しく指せれば後手ペースだったようです。

駒損を避ける凌ぎの手順を考えてみてください。

ヒントは「馬を狙う」です。

解答・解説は数行下にあります。




第2問の解答・解説

正解は☖1四飛(下図)と馬取りに当てる手でした。


角を取られても馬を取り返せば問題ない

というメッチャ普通の手なのに対局中は完全に見落としてましたよ…

コレがパッと指せないのは痛すぎる…

以下、☗3五飛 と角を取ってきたら☖1一飛(下図)と馬を取り…


上図以下、☗3四歩 ☖3二歩(下図)


3筋をしっかり受けておけば玉が堅い後手ペースです。


なので☖1四飛 には☗2二馬(下図)と逃げる方が勝りますが…


上図以下、☖3四歩 ☗2三馬 ☖1五飛(下図)


☖3四歩 と角取りを受け、☗2三馬 に☖1五飛 と逃げておけば駒損を回避できた後手ペースです。

上図以下、☗3五飛 ☖同歩 ☗3四歩(下図)


飛車切りからの☗3四歩 が気になりますが…

上図以下、☖4五桂 ☗3三歩成 ☖5三金(下図)


落ち着いて受け…

上図以下、☖4三歩 ☗2八と(下図)


手番がきた所で☗2八と と飛車を活用する形を作れば大丈夫です。

飛車が成り込めれば攻めが早く、金銀4枚の美濃囲いが活きる展開になりますね。

最後に

居飛車を持った時に使える☗3五歩(下図)の手筋を紹介しながら…

実戦で見えてなかった☖1四飛(下図)を反省ついでに出題してみました。

馬の存在を忘れてるとかボケすぎだわ…

ちなみに、実戦は☗3九香 に角損を受け入れて☖4五桂(下図)と指し…


上図以下、☗3五飛 ☖同飛 ☗同香 ☖2七と(下図)


投げやりの☖2七と が悪手であっという間に敗勢になりました。

ここは☖2七と ではなく☖6四香(下図)と打ち…


少しでも後手玉に迫る手を指した方が良かったみたいです。

ミスをしてもすぐ折れず、悪いなりに最善を探す根性を出さないとダメですね。

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