今回は ぴよ将棋 の
Lv27 ひよ花(四段)
に「三間飛車トマホーク」で挑んだら
AIならではのクセを突いて優勢になる手順
が見えてきたので1つの攻略パターンとして紹介します。
トマホークで四段に勝つ流れ
を何となく感じ取ってもらえたらと思います。
攻略パターンに誘う「初期型トマホーク」の手順
2024年8月現在の ぴよ将棋 は
銀を出てから端攻めを狙う初期型のトマホーク(下図)
をやると致命的なミスをするクセがあります。
これを利用したのが今回の攻略手順です。
いきなりこの形を見せられても意味が分からないと思うので、少し前の局面から駒組みを解説します。
上図は ノーマル三間飛車 vs 居飛車 の将棋で、お互い可もなく不可もない駒組みをしている局面です。
まだ居飛車の方針が分かりませんが、居飛車が持久戦模様に動いたらトマホークが視野に入ります。
上図以下、☖3三角(下図)
角を上がれば持久戦が濃厚ですね。
この手を見たら攻めの準備をします。
上図以下、☗6七銀(下図)
左銀を上がり、いつでも☗5六銀 ~ ☗4五銀 と攻勢に出られるようにするのがポイントです。
トマホークは穴熊への素早い端攻めを狙う戦法なので、居飛車穴熊に組むかどうか様子を見ます。
上図以下、☖1二香(下図)
普通は☖2二玉 と囲って左美濃か穴熊かをすぐに決めないんですが、ぴよ将棋は早めに香を上がって穴熊を宣言することが多いです。
上図以下、☗5八金左(下図)
まだ囲うかは分からないので中央を固めて様子を見ます。
上図以下、☖2二玉 ☗1六歩(下図)
☖2二玉 と囲いに向かったら端攻めの準備に☗1六歩 と突き…
上図以下、☖5二金右 ☗1五歩(下図)
そのまま端の位を取るのが形です。
これで☗1七桂 ~ ☗2五桂 ~ ☗1三桂成 と素早く端を攻める準備ができました。
このまま穴熊に囲ってくれれば速攻を狙えます。
上図以下、☖1一玉 ☗5六銀(下図)
穴熊に潜る☖1一玉 に☗5六銀 と出るのがトマホークの始まりです。
ここで☖4四歩 と受けられたら☗7五歩 ~ ☗5九角 と7筋方面の戦いにシフトする別の将棋になりますが…
上図以下、☖2二銀 ☗4五銀 ☖8四飛(下図)
ぴよ将棋 は☖2二銀 ~ ☖8四飛 と浮き飛車で歩を受け、トマホークを迎え撃つことが多いです。
これは最初の頃に定番の形でしたが、現在は
「☖8四飛 は後に狙われるだけの疑問手」
「☗3四銀 と歩を取らせる方がいい」
と言われているので、この形に誘えれば「トマホークはやや成功」と言ってもいいかもしれません。
これも1つの穴ですが、本当のミスはこの先にあります。
上図以下、☗1七桂(下図)
この桂跳ねでトマホークの布陣は完成です。
最初に掲載した図に合流しました。
次に☗2五桂 と角取りの先手で跳ね、素早く端攻めにいくのが狙い筋になります。
その時に「角の逃げ場所を間違える」のが攻略パターンの核になる一手です。
角を下に引くクセを咎める
ここで
- ☖3二金
- ☖2四歩
- ☖1五角
などの手がありますが、ぴよ将棋 は☖3二金(下図)のように固める手が多い印象です。
それには☗2五桂(下図)と角取りに跳ね…
端攻めにいくのが流れです。
この手への正着は☖2四角(下図)と上がり…
端をカバーしながら敵陣に睨みを利かせる手ですが…
なぜか ぴよ将棋 は角を上がらず☖4二角(下図)と下に引くクセがあります。
これは受けにも攻めにも働きが弱い明確な悪手で…
上図以下、☗1三桂成(下図)
桂の飛び込みから狙い通りの端攻めが決まって先手有利になるありがたい手です。
この致命的な
角を下に引くクセ
を誘えるのが初期型トマホークの利点になります。
大まかな端攻めの手順は今から書く本譜の進行を参考にしてください。
本譜は☗1七桂 に☖4二角(下図)と先受けしてきました。
当たりを避けるなら☖2四角 が正着で下に引いたのは疑問手です。
これにはかまわず端攻めにいきます。
上図以下、☗2五桂(下図)
ここでミスに気付いて☖2四角 と上がれば違った進行になったんですが…
上図以下、☖2四歩 ☗1三桂成(下図)
催促したので端攻めが決まる形になりました。
上図以下、☖1三同銀 ☗1四歩(下図)
銀取りに突き出し…
上図以下、☖2二銀 ☗6五歩(下図)
引いた所で角道を開けるのが攻めを継続する大切な一手です。
上図以下、☖3三桂打(下図)
桂を打って銀取りも狙いながらガッチリ受けてきましたが…
上図以下、☗1三歩成(下図)
ここで端を攻めるのが銀取りを許さない好手です。
以下、☖4五桂 は角筋が通ってしまうため☗2二と(下図)で詰んでしまうのが後手の泣き所ですね。
この取るに取れない状況で手を繋ぐのがポイントになります。
銀を取れないなら☖1三同香(下図)と端の面倒を見るしかありません。
上図以下、☗1三同香成 ☖同銀(下図)
銀がそれれば桂を跳ねられず、銀を取るのは叶いません。
ただ、先手の端攻めも一段落したので違う攻め筋が求められます。
浮き飛車を狙って手を繋ぐ
次の一手が攻めを繋ぐ好手です。
上図以下、☗6六角(下図)
ずっと端攻めを狙っていたので1筋方面に目がいきがちですが、左辺に目を向けて序盤に浮いた飛車を狙うのが定番の継続手になります。
最初にチラッと
「☖8四飛 は後に狙われるだけの疑問手」
と書きましたが、それは☗6六角 からの手順を指しています。
以下、☖8二飛 と下へ逃げると☗8四香 や☗3四銀 で簡単に攻めが繋がるので…
上図以下、☖9四飛(下図)
横へ逃げるのが最善ですが…
上図以下、☗9六歩(下図)
後手に有効手がないのを見越し、ゆっくり飛車を狙えば先手ペースです。
上図以下、☖1二玉 ☗9五歩 ☖7四飛(下図)
本譜は角筋を避けて☖1二玉 と指しましたが、☗9五歩 から飛車を追い…
上図以下、☗7五歩 ☖8四飛 ☗7四歩(下図)
強引に飛車交換にいけば攻めが続きます。
以下、☖4五桂 が正着で☗8四角 ☖3三角 と進んで難しい終盤戦になりますが…
上図以下、☖7四同飛 ☗同飛 ☖同歩 ☗3四銀(下図)
本譜は飛車交換に応じてくれたので、スムーズに☗3四銀 と出られて先手有利になりました。
五、六段になると正着の☖4五桂 に踏み込んでくるので、少し深めの研究が必要になりますね。
飛車打ちの反撃 と 寄せの決め手
先手の攻めが成功した所で後手からも反撃があります。
上図以下、☖6九飛(下図)
角取りの飛車打ちが定番の一手です。
中途半端な美濃囲いでもまだ安全なので、AIは☗1四歩 から寄せにいくのが正着と示していましたが…
上図以下、☗8四角 ☖7三桂(下図)
本譜は角を逃げたのでチャンスを逃しました。
しかし、☖7三桂 と受けたのが悪く再びチャンスが到来しています。
ここで寄せの決め手が見えれば勝ちです。
最後に「次の一手」として出題するので勝ちを決める一手を考えてみてください。
ヒントは「詰みに必要な駒を取りにいく」です。
解答・解説は数行下にあります。
次の一手の解答・解説
正解は☗6一飛(下図)と打つ手でした。
金か銀が入ると☗2三金(銀)☖1一玉 ☗1二香 の詰めろになるので、それを取りにいくのが単純ながら厳しい一手になります。
- ☖5一香
- ☖3二金
の受けが考えられますが…
以下、☖5一香 には☗6二飛成(下図)と銀を取り…
詰めろで迫れば先手優勢です。
以下、☖同金 なら☗2三銀打 から詰むので☖2二銀(下図)と引きますが…
上図以下、☗7三竜(下図)
冷静に桂を取っておけば、自玉は安全なので☗3五桂 などから迫れば勝てます。
☗6一飛 に☖3二金(下図)と上がって「2三」をカバーする手には…
上図以下、☗4一飛成(下図)
露骨に金を取りにいくのが厳しいです。
☗3二竜 を食らったら終わりなので
- ☖2二金
- ☖4九飛成 ☗同銀 ☖2二金打
と受けるしかありませんが、いずれも☗5二竜 と金を取っておけば先手の勝ちです。
後手からの攻め手がないので慌てる必要がありません。
ちなみに、実戦は☗6一飛 ではなく☗8一飛(下図)と打ったので互角に戻りました…
自力の将棋になるといきなり弱くなる辺り、棋力の低さが出てますね。
まとめ 初期型トマホークでミスを誘う手順
現状の ぴよ将棋 には、初期型の「三間飛車トマホーク」で「悪手の角引き」を誘うのが有効です。
上図のように5筋の歩を突かず一直線に穴熊に囲う展開になった時は…
☗1六歩 ~ ☗1五歩(下図)と端の位を取り…
☗5六銀 ~ ☗4五銀 と銀を活用して☖8四飛(下図)と受けさせ…
☗1七桂(下図)から端攻めを狙えば攻略パターンに入ります。
この後、角の当たりを避ける時に正着の☖2四角 ではなく☖4二角(下図)と引くクセがあるので…

☗2五桂 ~ ☗1三桂成(下図)と端攻めにいけば振り飛車ペースです。

端攻めが一段落したら☗6六角(下図)から飛車を狙い…
☗9六歩 ~ ☗9五歩 ~ ☗7五歩 ~ ☗7四歩(下図)と飛車交換を強要し…
☗3四銀(下図)と急所に擦り込めば勝ちは目の前です。
あとは正しい寄せができれば勝てます。
色々と変化はありますが、勝ちパターンの一例としてお試しください。
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