【序盤の基礎5】早石田への早仕掛け、☖6五歩への対応手順

2024/08/16

序盤の基礎

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 今回は、ぴよ将棋 の Lv18 ピヨ行 初段 に「早石田」をやった時に気になった

速攻の☖6五歩(下図)

への対応手順を紹介します。

やや無理筋なので実際に指してくることはないですが、もしもの時の保険にどうぞ。

「早石田」に対するピヨ行 のクセ

まずは8手目の☖6五歩 までの流れを紹介します。

初手から、☗7六歩 ☖3四歩 ☗7五歩 ☖6二銀(下図)


ピヨ行 に「早石田」を宣言する☗7五歩 を突くと高確率で☖6二銀 と上がってきます。

何度やってもこうなるので「早石田」には飛車先の歩を保留する傾向があるのかもしれません。

ここは☗7八飛 と回って角筋を通したまま戦う手もありますが…

上図以下、☗6六歩(下図)


個人的には角道を止めてスムーズに石田流を目指すのが好みです。

ここで☖4二玉 や☖8四歩 なら穏やかな駒組みになる所…

上図以下、☖6四歩(下図)


ピヨ行は「7筋の受け」を優先しながら「早い仕掛け」も匂わせる歩を突いてきます。

これがちょっと怖い手ですね。

上図以下、☗7八飛(下図)


とりあえず飛車を振って三間飛車を確定させると ピヨ行 はほぼ100%☖6三銀 と上がりますが…

「すぐ☖6五歩(下図)って仕掛けられたらけっこう困るかも…」

と思ったのが今回の本題です。

☖6五歩 への対応手順

無理筋っぽいとはいえ、いざやられると怖い手ですよね。

角打ちに弱い三間飛車のスキを突かれた感じがあり、取っていいか迷いますが…

上図以下、☗6五同歩(下図)


堂々と取って角交換を受け入れるのが最善でした。

上図以下、☖8八角成 ☗同銀 ☖4五角(下図)


これには角交換から両狙いの☖4五角 を打つのが流れです。

受けがなく困ったように見えますが…

上図以下、☗5五角(下図)


飛車取りを無視して角を打ち返すのが好手で先手ペースになります。

この手の乱戦でありがちな「香取りが受からない形」を咎めながら…

☗7四歩 と「飛車のコビンを攻める手」も狙いつつ…

「飛車を取られても打ち込むスキがない」のを見越した絶妙の一手です。

すぐに☖7八角成 と飛車を取っても☗同金(下図)と取り返された後に有効手がなく…


ヘタに角を渡すと先手に攻め筋を与えるだけになるので…

AIは飛車取りを保留して☖3二金(下図)と受ける手を最善と示しました。


☗7四歩 と☗1一角成 のどちらも有力ですが…

上図以下、☗1一角成(下図)

評価値的には香を取る方が勝るようです。

上図以下、☖3三桂 ☗3八銀(下図)

後手は桂を逃げながら馬を封じ、先手は☗3八銀 で☖2七角成 を受けるまでが1つの流れになります。

すでに先手有利な局面ですが、この後の指し方がけっこう難しいので

  • ☖7八角成
  • ☖6七角成

を例に少しだけ続きを紹介します。

☗3八銀 に☖7八角成 の変化

☖7八角成(下図)と飛車を取ってきた場合は…


上図以下、☗7八同金 ☖6三銀 ☗6九香(下図)


「下段の香打ち」で飛車の打ち込みをケアしつつ6筋を支えるのが一例です。

以下、後手から早い攻めもないので☗4八玉 から美濃に囲い…

自玉を安全にしてから左辺の銀、桂の活用を図りつつ☗6四歩 の突き出しを見せれば先手充分です。

☗3八銀 に☖6七角成 の変化

飛車を取らず☖6七角成(下図)と馬を作ってきた場合は…


☗6八金 と強めに当てる手もありますが…

上図以下、☗4八玉(下図)


玉を囲いながら「5七」を受けるのが自然でしょうか…

上図以下、☖4五馬 ☗7七桂(下図)


桂を跳ねて☖8九馬 と取られる手を消しておき…

上図以下、☖5二金 ☗6八飛(下図)


6筋の位を活かす四間飛車に振り直すのが一例です。

以下、☗5八金左 ~ ☗3九玉 と囲い、機を見て☗6四歩 から攻めを狙えれば理想ですが…

「4五の馬」が手厚いので簡単にはいかず、けっこうジリジリした駒組みが続きます。

優勢に持ち込むには中盤の構想力が求められそうですね。


ちなみに、☗4八玉 のタイミングで☖7八馬(下図)と飛車を取り…


上図以下、☗7八同金 ☖6九飛(下図)


スキができた「6九」に飛車を打ってきた場合は…

上図以下、☗6八香(下図)


駒を打って縦の退路を断てば捕獲できます。

これで次の☗7九金 が受かりません。

上図以下、☖8九飛成 ☗7九金(下図)

少しでも損を減らしに桂を取るくらいですが、☗7九金 と引いて捕獲すれば先手ペースです。

この捕獲手順があるから☗4八玉 と囲えるというのは覚えておいてください。

補足 ☗6五同歩 に☖4二玉 と一手待った場合

AIで検討していたら、☗6五同歩 の所ですぐに角交換から☖4五角 と打たず…

上図以下、☖4二玉(下図)


一手待つ変化を候補手に挙げていたので補足します。

☖4五角 は無理っぽいと気付いた手でしょうか…

上図以下、☗2二角成 ☖同銀 ☗6八飛(下図)


これには先手から角交換し、スキの少ない四間飛車に振り直すのが一例です。

ここで☖3三銀 のように受けに回ったら、こちらも☗7八金 と角打ちのスキを消しておけば6筋の位が大きく先手ペースになります。

上図以下、☖4五角(下図)


なので角を打つしかないんですが…

上図以下、☗3六歩(下図)


あえて桂取りを受けない☗3六歩 が罠含みの面白い反撃になります。

以下、☖3六同角 が正着で☗3八銀 と受けておけば先手持ちの互角(240点)の良い勝負です。

もし桂を取ってきたら…

上図以下、☖8九角成 ☗7七角(下図)


☗7七角 の好手があって先手が良くなります。

銀取りの先手で☖9九馬 を受ける厳しい一手ですね。

  • ☖3三銀
  • ☖6七桂
  • ☖7九馬

に分かれるのでそれぞれ解説します。

☗7七角 に☖3三銀 の変化

まずは先手の狙いが分かりやすい☖3三銀(下図)から。


銀取りを受けた場合は…

上図以下、☗7八銀(下図)


狙いの銀上がりで馬を捕獲すれば先手ペースになります。

上図以下、☖7六桂(下図)


この桂打ちがちょっとドキッとする手ですが…

上図以下、☗8九銀 ☖6八桂成 ☗同玉(下図)


アッサリ馬を取ってしまえば飛車打ちのスキがない先手が指しやすい形勢です。

☗7七角 に☖6七桂 の変化

☖6七桂(下図)と王手で反撃してきた場合は…


玉を逃げると☖7九桂成 が厳しいので…

上図以下、☗6七同飛(下図)


飛車で取るのが最善と示されました。

上図以下、☖6七同馬 ☗2二角成(下図)

飛車を持たれたのは少し怖いですが、すぐに使えるわけではないので大丈夫なようです。

この後は☗1一馬 と駒を取りながらジワジワいけば先手有利(400点)の中盤戦と示しています。

☗7七角 に☖7九馬 の変化

平凡に指すなら☖7九馬(下図)と切る手もあります。


これには自然に対応し…

上図以下、☗7九同金 ☖3三銀 ☗7八金(下図)


☗7八金 と自陣を整えれば先手が指せる流れです。

桂取りを誘う☗3六歩 の受けは類似形で使えそうなので、チャンスがあったらお試しください。

まとめ 早々の☖6五歩 には素直に取って☗5五角 を狙う

「早石田」で角道を止めて☗7八飛 と振った瞬間に☖6五歩(下図)と仕掛けられた場合…

☗6五同歩(下図)と素直に取る手が成立します。

☖8八角成 ☗同銀 ☖4五角(下図)が後手の狙い筋ですが…

☗5五角(下図)がそれを上回る反撃で…

正しく指せれば先手ペースです。

この☗5五角 は早石田の乱戦でよく見かける好手なので、角交換から暴れられた時は狙ってみてください。

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