【序盤の基礎6】早石田への右四間速攻の受け方 と 端を狙う構想

2024/09/01

序盤の基礎

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 今回は、ぴよ将棋 の ピヨ丸(二段+)に「早石田」で挑んだ一局から、序盤の知識として役立ちそうな

  • 右四間からすぐ仕掛けてきた時の受け方
  • 不用意な玉寄りを咎める端攻め

の2つを紹介します。

早石田で序盤の落とし穴に落ちないための基礎知識としてお役立てください。

☖4二玉 から右四間にされたら早めの仕掛けに注意

まずはポイントの局面までの流れをザっと書いていきます。

ぴよ将棋 に☗7五歩 の「早石田」を宣言すると☖6二銀 と上がることが多いんですが…

今回は☖4二玉(下図)と乱戦を視野に入れた手を選択してきました。


角交換からドンパチやるのは苦手なので…

上図以下、☗6六歩 ☖6四歩 ☗7八飛(下図)


穏やかな変化を求めて角道を止めたら、こちらの気持ちを見越したように☖6四歩 と早い仕掛けを匂わされ嫌な予感が走ります。

上図以下、☖1四歩 ☗1六歩(下図)


この何気ない端歩の交換が後の端攻めに繋がる布石でした。

上図以下、☖6二飛(下図)


端を突いたので少しは囲い合うのかと思いきや、攻めっ気たっぷりに右四間に振られ…

上図以下、☗5八金左 ☖6五歩(下図)


一手も無駄のない速攻を食らったのがポイントの局面です。

これは嫌な展開…

いつもの☖6二銀 と上がる変化よりストレートに6筋突破を狙う感じが怖すぎますね。

一応、正しく受ければ互角になるのでAIで検討した手順を紹介します。

速攻の☖6五歩 への対応手順

サラッと流しちゃいましたが、☖6五歩 の直前に指した☗5八金左(下図)が受けのポイントになる大切な一手です。

  • 争点の6筋
  • 飛車のコビン
  • 角打ちのスキ

といった三間飛車の弱点を一手でカバーした意味があり、この一手があるかないかで急戦への耐久度が大きく変わりますから。

速攻の☖6五歩 がきそうな時は、事前に☗5八金左 と備えるのが簡単にやられないコツですね。

補足が終わったので☖6五歩(下図)への対応手順に入ります。

金上がりで角打ちのスキをある程度カバーできているので…

上図以下、☗6五同歩(下図)


素直に取る手が成立します。

以下、☖6五同飛 と単に歩を取ると☗2二角成 ☖同銀 ☗6七歩(下図)で収まってしまうので…


仕掛けたからには☖8八角成(下図)と角交換をするのが最善です。


飛車と銀のどちらで取る手もありますが…

上図以下、☗8八同飛(下図)


飛車で取り、両狙いの☖4五角 を消す方が分かりやすいと思います。

あとは「7九の銀」を中央に活用して局面を落ち着ければすぐにはやられません。

上図以下、☖4四角 ☗7七角(下図)


角には角を合わせ…

上図以下、☖6五飛 ☗6八銀(下図)


飛車走りには☗6八銀 と受ける感じですね。

上図以下、☖6六歩(下図)


ここが一段落した互角の局面です。

6筋を押さえ込まれた感じがしますが、☗6七歩 と合わせれば反発できるので大丈夫です。

すぐは危険なので少し玉を安全にしてから歩を合わせるのが流れですね。

不用意な玉寄りを咎める端攻め

この☖6六歩 までが速攻を互角に収める一例になります。

ここから正しく指せれば良い勝負だった所、実戦はミスをして後手にチャンスを与えてしまいました。

その攻め筋が参考になったので続きを紹介します。

上図以下、☗4八玉 ☖3二銀 ☗3八玉 ☖5二金右(下図)


少し囲い合った上図が形勢の分かれ目でした。

ここで☗6七歩 と合わせ、左辺から反発するのが正着でしたが

「後手から早い仕掛けもなさそうだし、しっかり囲ってから動いた方がいい」

と思い…

上図以下、☗2八玉(下図)


玉を囲ったのが急所に近づく悪手で、本来なら成立しなかった攻め筋を与えてしまいました。

以下、AIが示した見事な手順をご覧ください。

上図以下、☖7五飛(下図)


まずは一歩を補充して…

上図以下、☗3八銀 ☖1五歩(下図)


美濃に囲った瞬間に端を狙うのが☗2八玉 を咎める好手でした。

こうなると数手前に打った☖4四角 が端を睨む絶好の駒になってますね。

上図以下、☗1五同歩 ☖1七歩(下図)


ここで飛車も絶好の位置にいることに気付きました。

垂れ歩を放置すると☖1五飛 と回られて収拾がつかなくなりそうです。

上図以下、☗1七同香 ☖同角成(下図)


仕方なく取りますが、角切りから…

上図以下、☗1七同桂 ☖1五飛(下図)


飛車を回るキレイな連携を決められては受け切るのは容易ではありません。

上図以下、☗1六歩 ☖同飛 ☗1八歩(下図)


大駒を近づける☗1六歩 の手筋で受けても…

上図以下、☖1五飛(下図)


先手から早い攻めがないので☖1五飛 から☖1六歩 が間に合い、後手の成功がハッキリしました。

序盤のさりげない端歩の交換がこんな形で刺さってしまうとは…

一瞬のスキを突く見事な攻めでしたね。

次からは端を睨む☖4四角 とかに敏感にならないとダメそうです。

まとめ

早石田への☖4二玉 に☗6六歩(下図)と角交換を避けて石田流を目指した時に…


☖6四歩 ~ ☖6二飛(下図)
と右四間にされた場合・・・

まずは速攻に備えて☗5八金左(下図)と上がるのが大切です。

こうして弱点を補強しておけば☖6五歩 を☗同歩(下図)と取る手が成立します。

以下、☖8八角成 には☗同飛(下図)と応じ…

☖4五角 の両狙いを消すのが分かりやすいです。

ここまでくればすぐにやられる心配はありません。

「7九の銀」を中央に活用しながら相手の手を冷静に受け、落ち着いた局面を目指せば大丈夫です。

もし右四間から速攻を狙われた時は上記の受け方をお試しください。

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