【終盤の凌ぎ6】ぴよ将棋の初段攻略の補足 質駒の角を使った端攻めに注意

2024/08/27

終盤の凌ぎ

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 下図は、昨日の「ぴよ将棋 攻略」と同じ手法で受け切り模様になった局面です。


後手が左美濃に囲ってる所がちょっとした違いですね。

ここから少し怖い端攻めを食らったので補足ついでに凌ぎ問題を出題します。

まずはポイントの局面までの手順を眺めてください。

上図以下、☖1五歩(下図)


この手から反撃が始まります。

無理気味な一手ですが

  • 「4四の角」が端に利いている
  • 「3三の桂」が端攻めに使える
  • 「8六の角」が質駒になっている

など、攻め駒がけっこうあるので油断すると危険です。

上図以下、☗1五同歩 ☖1七歩(下図)


この垂らしが手筋ですね。

放置すると☖1五香 と走る手が厳しいので素直に取るくらいですが…

上図以下、☗1七同香 ☖2五桂(下図)


そこで桂を跳ねれば攻め駒が一点に集中して筋に入ってきました。

ここがポイントの局面です。

1七の地点を狙われてますが、どう受けるのが最善でしょうか…

凌ぎ問題として次の一手を考えてみてください。

解答・解説は数行下にあります。




解答・解説

正解は☗1六香(下図)と浮く手でした。


これが駒を渡さずに受ける好手で、後手は続く手が難しくなっています。

一手緩むと☗1九香(下図)と補強されて手がなくなってしまうため…


  • ☖8六飛
  • ☖1七桂成

のような手で攻めを続けるしかありません。

けっこう怖い筋なのでAIで検討した受け方を解説します。

☗1六香 に☖8六飛 の変化

まずは実戦で指してきた☖8六飛(下図)から。


このタイミングで飛車を切られると狙っていた感じがして怖いですね。

上図以下、☗8六同飛 ☖1七角打(下図)


完全に見落としていたので☖1七角打 を食らった時は「あっ」となりましたが、冷静に見たら大丈夫だったのが救いでした。

金駒がない状況では続く手が難しかったようです。

以下、☗同桂 ☖同角成 ☗2九玉(下図)と進めても先手有利と示していますが…


これは玉が薄くて怖いですね。私の棋力では選べない変化です。

なので実戦は角を取らずに☗1八玉(下図)と逃げました。


これで続く手が難しく先手の受け切り模様です。

次に☗3六銀 ~ ☗2五銀 と要の桂を外して☗1七桂 と角を取りにいく手があるので…

上図以下、☖3五角引成 ☗2六香(下図)


角を逃げるくらいですが、そこで☗2六香 と馬筋を遮断すれば攻めが続きません。

次に☗8一飛成 と分かりやすい攻めがある先手ペースです。

☗1六香 に☖1七桂成 の変化

もう1つの狙いとして☖1七桂成(下図)と成り捨てる手もあります。


これは盤面を広く見た一手で、石田流を指すなら気を付けないといけない筋を狙っています。

今回は後手の狙い通りに進めた方が形勢が良かったので、まずはその狙い筋をご覧ください。

上図以下、☗1七同桂 ☖同角成 ☗同玉(下図)


強引に桂を入手し…

上図以下、☖8四桂(下図)


動けない飛車を取りにいくのが狙いでした。

けっこうウッカリしがちな筋ですよね。

普通ならタダで取られて困る所ですが…

上図以下、☗8五香(下図)


今回はこの反撃があるので大丈夫でした。

上図以下、☖7六桂 ☗8二香成(下図)


お互いに飛車を取り合えば駒得が大きい先手ペースです。

以下、☖1九飛 が気になる王手ですが、☗1八飛(下図)と合駒すれば受かっています。


以下、☖1八同飛成 ☗同玉 となればスキがなくなって先手に怖い所がありません。

なので飛車を打たずに☖8八桂成(下図)と左辺を狙うのが最善ですが…


上図以下、☗2八玉(下図)


冷静に玉を引き、スキを消しておけば先手優勢です。

以下、角取りの☖8七成桂 には☗1四桂(下図)と打ち…


端から手を作れば先手ペースの終盤戦です。


ちなみに、☖1七桂成(下図)の所で…

「桂を渡すと☖8四桂 の飛車取りがある」

と危機を察知して☗3九玉(下図)と逃げると…


上図以下、☖1六成桂(下図)


平凡に香を取る手が思った以上に厳しく後手有利(-600点)になってしまいます。

左辺が凝り形な上に玉も薄くなった先手に良い所がないですね。

もし☖1七桂成 を実戦でやられたらちゃんと読まずに☗3九玉 って逃げてたと思います。

読みの浅さで負けるいつものパターンですね。

まさか相手の狙い通りに進めるのが正着だったとは…

「☖8四桂 には☗8五香 の反撃があるから大丈夫」

と先を見越して堂々と指せるようになりたいもんです…

今回のポイント

無理気味な端攻めに有力な☗1六香(下図)の軽手が見えるかがポイントでした。

前にも同じ答えになる問題を出したような…

それくらい定番の手筋なのかもしれません。

今回は色々と怖い変化があったので逆に難しくしてしまった感は否めませんが、受けの形として覚えておくとけっこう使えますよ。

状況によって「軽くかわすか、ガッチリ受けるか」を正しく選べれば勝率が上がりそうですね。

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