【終盤の凌ぎ11】急所の攻め駒を取って詰めろを解消する

2024/12/09

終盤の凌ぎ

t f B! P L

 先手に凌ぎの好手が生じた局面です。


ただでさえ

  • 5九の「飛」
  • 5八の「金」
  • 7二の「馬」

の3枚が急所に利いてピンチだった所に☖6六角 と4枚目を足されてほぼ必至の状態にされました。

次に☖4九飛成 からの詰めろを受ける手が見えず、実戦はあえなく負けてしまいましたが…

AIで検討したら

「攻め駒を取る好手順があって先手勝勢(1900点)」

と示され、実は勝てる将棋だったことが分かりました。

「5八の金」や「7二の馬」を取りにいく起死回生の好手を見つけ窮地を脱してください。

解答・解説は数行下にあります。




解答・解説

初手は☗2二と(下図)が正解です。


これが絶好の飛車打ちを生む好手で、どう対応されてもピンチを脱することができます。

  • ☖同玉
  • ☖同角
  • ☖3三玉
  • ☖3四玉

に分かれるのでそれぞれ解説しますね。

☗2二と に☖同玉 の変化

まずは狙いが分かりやすい☖2二同玉(下図)から。


これには十字飛車が刺さります。

上図以下、☗5二飛(下図)


王手・馬・金取りを決め…

上図以下、☖3二銀 ☗5八飛成(下図)


金を外して詰めろを解消すれば…

上図以下、☖5八同飛成 ☗同銀(下図)


一気に安全になった先手ペースの終盤戦です。

攻め駒も充分あり、寄せ間違えなければ勝てます。

☗2二と に☖同角 の変化

玉で取るとダメなら☖2二同角(下図)が考えられますが…


角の利きが逸れたので…

上図以下、☗5八金(下図)


普通に金を取れば凌げています。

☗2二と に☖3三玉 の変化

「と金」を取れないなら☖3三玉(下図)と逃げる手が考えられます。


この手には金ではなく…

上図以下、☗3二飛(下図)


馬を狙うのが好手です。

上図以下、☖4四玉 ☗4五銀 ☖5五玉 ☗5六銀打(下図)


すぐに馬を取らず玉を包囲し…

上図以下、☖6四玉 ☗7二飛成(下図)


寄り形に持ち込んでから取れば先手勝勢が確定します。

上図以下、☖4八金 ☗同金 ☖同角成(下図)


詰ましにきても…

上図以下、☗4八同玉 ☖5七銀 ☗5九玉(下図)


少し足りず逃れています。

☗2二と に☖3四玉 の変化

逃げるなら☖3四玉(下図)と上へ出る手もありますが…


上図以下、☗7四飛(下図)


王手馬取りを掛ければ凌げます。

上図以下、☖5四歩 ☗4五銀(下図)


合駒に銀を打ち…

上図以下、☖3三玉 ☗7二飛成(下図)


下へ押し返してから馬を取れば先手勝勢です。

上下から迫られて受けが難しいですね。

上図以下、☖4八金 ☗同金 ☖同角成 ☗同玉 ☖5七金(下図)


もし指すなら詰ましにいくくらいですが…

上図以下、☗5九玉 ☖5八銀(下図)


先ほどと同じように飛車を取れば逃れています。

精一杯迫っても…

上図以下、☗5八同銀 ☖4八金打 ☗6九玉(下図)


「7八の金」が良い働きをして届きません。

今回の反省点

最後まで頑張らず「受けがない」と諦めたのが反省点です。

冷静に自玉の詰みを読み、最低でも

「馬か金がいなければギリギリ大丈夫かも…」

と気付けないとダメでしたね。

技が掛かりやすい形だったのに☗2二と(下図)が全く浮かばなかったのは痛かった…

先の読み筋はどうであれ、最後まで頑張る意気込みは必要ですね。

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