【実戦の寄せ8】角を取られる前に決める

2024/08/02

実戦の寄せ

t f B! P L

 後手玉に寄り筋が生じた局面です。


☖6九飛 と角取りに打ってきましたが、角を取るヒマを与えずに決める好手がありました。

まずは寄り形に持ち込む思い切った初手を考え、余裕がある方は寄せ手順も考えてみてください。

解答・解説は数行下にあります。




解答・解説

正解は☗3一角成(下図)と切る手でした。


「終盤は駒の損得より速度」の格言通り、守りを薄くするのが寄せの好手ですね。

銀を取られた後手玉は一気に弱体化して寄り形になっています。

以下、☖1二玉 なら☗1三銀 ☖2三玉 ☗2二馬 まで。

☖2三玉 なら☗4一馬 ☖1二玉 ☗2三金 ☖2一玉 ☗3二馬 までの詰みなので

  • ☖3一同玉
  • ☖3一同金

と取るのが正着です。

どちらも少し解説が必要なので見出しを分けて解説します。

☗3一角成 に☖同玉 の変化

まずは優しい寄せになる☖3一同玉(下図)から。


露骨に☗3二銀打 と打ち込んでも勝ちですが、もっと明快な一手があります。

上図以下、☗3三金(下図)


それが桂を取りながら金を入る☗3三金 です。

次の

  • ☗2二銀
  • ☗3二銀(不)成
  • ☗3二銀打

などの複数の詰みを受ける術がなく、この一手で必至です。

参考程度に後手の応手への詰み手順をサラッと紹介しますね。

☖4三飛 なら☗2二銀 まで。

☖6五飛成 や☖2二銀 なら☗3二銀打 ☖同金 ☗同銀成 まで。

☖2一銀 なら☗2三桂 まで。

☖2一玉 なら☗3二銀不成(下図)と入り…


以下、☖1二玉 なら☗2三金 まで。

☖同金 なら☗同角成 ☖1二玉 ☗2二馬(下図)までの詰みです。


上から押さえた形ならではの優しい詰み筋ですね。

☗3一角成 に☖同金 の変化

玉で取ると一手必至があるので最善は☖3一同金(下図)になります。


「9三の飛」も受けに利いてるので一筋縄ではいかなそうですが…

上図以下、☗3二銀打(下図)


露骨に貼りつけば寄り形になります。

  • ☖同金
  • ☖1三玉
  • ☖1二銀
  • ☖6五飛成
  • ☖4一金

などに分かれるのでそれぞれ解説します。

☗3二銀打 に☖同金 の変化

☖3二同金(下図)と取った場合は…


上図以下、☗3二同銀成(下図)


角の利きを活かして取り返せば寄り形です。

上図以下、☖1三玉 ☗3三成銀(下図)


玉を逃げた所で成銀を引き、角が成る手を見せながら☗2三金 の詰めろを掛ければ勝ちです。

さりげなく金を渡さない形で迫るのも粘りにくくするポイントですね。

以下、☖3三同飛 は☗同金 で受けにならないので…

上図以下、☖1二銀 ☗3二角成(下図)


銀を打って受けるくらいですが、☗3二角成 と入れば受けが難しいです。

  • ☗2二馬
  • ☗2三金 ☖同銀 ☗同馬

の詰みを受け切れず先手の勝ちが確定します。

以下、☖3三飛 には☗同金 で大丈夫です。

☗3二銀打 に☖1三玉 の変化

☖1三玉(下図)と逃げた場合は…


上図以下、☗3一銀不成(下図)


金を取っておけば寄り形です。

以下、☖6五飛成 なら☗3三金(下図)と詰めろで入れば受けが難しいので…


香を補充する☖9九飛成(下図)が最善と示されましたが…


上図以下、☗3四銀成(下図)


銀を引いて角筋を通しながら詰めろを掛ければ寄りです。

☖2一香 を☗同角成 と取れるのが大きいですね。

上図以下、☖1二銀 ☗3二角成(下図)


受けるなら銀を打つくらいですが、☗3二角成 と入れば

  • ☗2二馬
  • ☗2二銀不成
  • ☗2三金 ☖同銀 ☗同馬

などの詰みが受からず必至です。

詰みまでの一例を紹介します。

上図以下、☖2一香 ☗2三金(下図)


香を打つのが最善ですが、焦点に金を捨てれば問題ありません。

以下、☖同香 は☗2二馬 までの詰みなので銀で取りますが…

上図以下、☖2三同銀 ☗同成銀 ☖同香 ☗2二馬(下図)


それでも強引に清算して香を吊り上げれば☗2二馬 までの詰みです。

☗3二銀打 に☖1二銀 の変化

☖1二銀(下図)と打った場合は…


上図以下、☗3一銀不成 ☖1三玉 ☗3三金(下図)


金を取って☗3三金 と入れば寄りです。

角と桂では☗2二銀不成 の詰みを受けるのが難しいですね。

上図以下、☖2五歩 ☗2二銀不成 ☖2四玉 ☗3四銀成(下図)


退路を広げる☖2五歩 には☗3四銀成 までの詰みがあるので受けになりません。

☗3二銀打 に☖6五飛成 の変化

☖6五飛成(下図)と角を取った場合は…


上図以下、☗3一銀不成 ☖1三玉 ☗3三金(下図)


ここまでに何度か見た「金を取ってから☗3三金 と入る形」で必至です。

持ち駒が悪く、☗2三金打 や☗2二銀不成 からの詰みを同時に受けられません。

☗3二銀打 に☖4一金 の変化

普通の受けではダメと判断したのか、AIは☖4一金(下図)とそっぽへ逃げる手を最善と示しました。


金を犠牲に攻め駒を遠ざけようとする手筋っぽい手ですが…

上図以下、☗4一同銀不成(下図)


成らずに取れば寄り筋です。

次に☗3二銀引(不)成 と戻る手が厳しいですね。

以下、☖6五飛成 なら☗3二銀引成(下図)と王手で戻り…


上図以下、☖1三玉 ☗3三金(下図)


金を入れば寄り形です。

以下、☖1二銀 や☖1二角 と受けるくらいですが、☗2二成銀(下図)と寄っておけば…


☗2三金打 や☗1二成銀 からの詰みを受けるのが難しく先手の勝ちです。


単純に銀を戻られるとダメなら☖3一銀(下図)と受ける手も考えられますが…


上図以下、☗3二銀引不成(下図)


この場合は成らずに銀を引けば寄り形です。

以下、玉を逃げれば☗2三金 まで。

☖3二同銀 は☗同銀成 ☖1二玉 ☗2三銀 ☖同玉 ☗3三成銀(下図)から…


長手数の詰みがあります。

上図以下、☖3三同飛 ☗同金 ☖同玉 ☗5三飛(下図)


「6五の角」がよく利いていて逃げ切れません。

以下、☖4三桂 などの合駒には☗同飛成 ☖2二玉 ☗3二竜 ☖1三玉 ☗2三金 まで。

☖4二玉 なら☗4三角成 から頭金まで。

☖2二玉 なら☗2三金 ☖3一玉 ☗3二角成 までの詰みです。


☗3二銀引不成 を取ると詰むなら☖1二角(下図)と受けるくらいですが…


上図以下、☗3一銀不成(下図)


この場合は銀を取れば詰んでしまいます。

以下、☖同玉 や☖2一玉 なら頭金まで。

☖1三玉 なら☗2二銀打 ☖2三玉 ☗3三金 まで。

☖2三玉 なら☗3四銀成 ☖1三玉 ☗2二銀打(下図)まで…


角の弱さが響く詰みです。

今回の反省点

ここで☗3一角成 と切れば寄り筋だったのに、実戦で指したのは☗6八歩(下図)と単に角取りを受ける手でした。


「ゆっくり指しても勝てる」

と思って安全策を取ったんですが…

上図以下、☖2三銀(下図)


守備駒を足されるとチャンスを逃した感がありまくりですね。

ここから効率よく迫る手が見えず、モタモタしてる内に反撃を受け、応手を誤り逆転される始末…

前にも似たようなことを書いた気がするけど決め所を逃した罪は大きい…

自玉は手付かずなんだから踏み込むべきでした。

☗3一角成 が見えていたのに怯んでしまった弱さをどうにかしないとしないとダメですね。

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