【次の一手13】悪手の飛車浮きを咎める

2024/08/01

次の一手

t f B! P L

 後手優勢になるチャンスがきた局面です。


「5四の歩」を取りに飛車を浮いたんですが、これは自ら首を差し出す悪手でした。

冷静に見ると飛車に詰み筋が生じています。

飛車を捕獲にいきながら一気に優勢を築く一手を考えてみてください。

解答・解説は数行下にあります。




解答・解説

正解は☖7一香(下図)と打つ手でした。


単純ながらこれで先手は困っています。

縦の退路を断たれると狭いですね。

ここから

  • ☗5四飛
  • ☗7三歩

に分かれるのでそれぞれ解説します。

☖7一香 に☗5四飛 の変化

まずは実戦で指した☗5四飛(下図)から。


狙い通り歩を取り、軽く飛車を使えてまあまあな展開と思っていたんですが…

上図以下、☖4五銀(下図)


この銀上がりで「あっ」となりました。

角と銀がよく利いていて飛車の行き場がありません。

☗5三飛成 には☖5二金右(下図)があり…


どうやっても飛車が助からない状況に…

完全な見落としで言い訳のしようがない…

実戦は☖4五銀 に☗5六飛(下図)と引き…


以下、☖5六同銀 ☗同歩 と飛車を犠牲に歩を進め、☗4六角 から角を活用して頑張ろうと思いましたが…

上図以下、☖7七香成(下図)


そんな勝手読みを許してくれるわけもなく、絶好の香成りを食らって完全なる敗勢になりました。

ここからのボロ負けっぷりは目も当てられない…

本当に酷い将棋でした…

☖7一香 に☗7三歩 の変化

単純に飛車を逃げるとダメなので☗7三歩(下図)と打つのが最善です。


ただ、これでも後手優勢なのは変わりません。

上図以下、☖7三同桂(下図)


シンプルに桂で取り返されると厳しいですね。

次に☖8五桂 と桂を取りながら香の利きを通す手を狙っているので何か受けないといけませんがシックリくる手がありません。

☗7三同桂成 は☖同香 で飛車が詰みますし…

先ほどのように☗5四飛 と逃げても☖4五銀(下図)で困ります。


縦に逃げると飛車が詰むので☗7四飛(下図)と戻るくらいですが…


上図以下、☖8五桂(下図)


狙いの桂跳ねを食らって悪化するだけです。

これなら☖4五銀 の所で☗5三飛成 ☖5二金右 ☗同竜 と進めて金と交換した方がマシですね。


☖7三同桂 の所で飛車を助けることだけを考えれば☗7六飛(下図)と引く手がありますが…


上図以下、☖8五桂 ☗3六飛 ☖7七桂成(下図)


☖8五桂 ~ ☖7七桂成 とキレイにさばかれて成す術がありません。

どう転んでも後手が気持ちよくなるだけなのを見ると、軽はずみに☗7四飛 と浮いた罪はデカいですね…

今回の反省点

上図が大悪手の☗7四飛 を指す前の局面です。

次に☖7五香 と打たれて飛車が横に逃げる展開になると窮屈な気がして☗7四飛 と浮きましたが…

それがもっと窮屈にする一手だったのが誤算でした。

AIで検討すると、ここは☗2八玉 と囲ったり、☗5六歩(下図)と突く方がよかったようです。


これならそう簡単に飛車は捕まりませんし、☗4六角 と活用する手もあって良い勝負でした。

まだまだ難しかったのに浅い読みで不安になり、自ら負けにいったのは痛かったですね。

とりあえず☖4五銀(下図)みたいな手を知れただけでも価値のある負けだったと思います。

次からは似た筋を食らわないように気を付けないと…

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