【実戦の寄せ11】攻めと受けが合わさった好手

2024/09/11

実戦の寄せ

t f B! P L

 後手玉に寄り筋が生じた局面です。


☗5一飛 の王手に☖6一金打 とガッチリ受けなければいけなかった所、節約して☖8二玉 と逃げたので決め手が生じました。

自玉を安全にしながら寄せも見た好手を考えてみてください。

ヒントは「銀があれば…」です。

解答・解説は数行下にあります。




解答・解説

正解は☗5八飛(下図)と成銀を取る手でした。


これが自玉に迫る駒を排除しながら☗7一銀 の寄せを見た好手です。

  • ☖同成香
  • ☖6一金打

に分かれるのでそれぞれ解説します。

☗5八飛 に☖同成香 の変化

素直に☖5八同成香(下図)と取った場合は…


上図以下、☗7一銀(下図)


狙い通り銀を打てば寄り形です。

以下、☖9二玉 なら☗5三角成(下図)と金を取るのが好手で…


次の☗8二金 を受ける有効な手がなく先手の勝ちになります。

以下、☖8二金(飛)、☖7三銀、☖9四歩 など、何を指しても☗6二馬 と金を取ればOKです。


端に逃げるのがダメなら☖7三玉(下図)と上がるしかないですが…

これも受けにならず…

上図以下、☗6二銀不成 ☖同玉 ☗5三飛成(下図)


自然に金を取りながらそのまま詰んでしまいます。

以下、☖7一玉 でも☖7三玉 でも☗6二竜 からの5手詰めです。

詰み手順は昨日出題した「実戦詰将棋」を参照してください。

☗5八飛 に☖6一金打 の変化

☗7一銀 を食らったら終わりなので☖6一金打(下図)と打つのが正着です。


これには☗同飛成 と切って寄せにいきたくなりますが…

上図以下、☗5七飛(下図)


AIは単に成香を取る手を推奨していました。

先の手順を見ると

飛車を取らせて急所の「7一」から金を遠ざけた方が都合がいい

という判断のようです。

上図以下、☖5一金 ☗5三飛成(下図)


後手が飛車を取った所で、あえて飛車から切るのが狙いの一手で…

上図以下、☖5三同金 ☗同角成(下図)


馬を残して☗7一銀 を狙えばあっという間に寄り形になりました。

銀打ちが先手になっているのが大きいですね。

上図以下、☖6一金 ☗3五馬右(下図)


金を戻した所で馬を引き、しつこく「7一」を狙うのが強烈です。

上図以下、☖1一飛 ☗5五桂(下図)


受けるなら飛車を打って「7一」への利きを足すくらいですが、それには☗5五桂 からゆっくり攻めれば大丈夫です。

自玉が安全なので確実な攻めで囲いを崩していけば勝てます。

この問題のポイント

盤面を広く見て

「質駒の銀を取れば勝ち」

と気付き、☗5八飛(下図)と決めにいけるかがポイントでした。

すでに大差の局面とはいえ、こういう手を逃さないのが大切ですね。

まぁ、これを食らった側だったってのがアレですけど…

完全にボコられた一局でしたが、先手の好手を元に何問か作れたから良しとしようと思います。

次は決める側に回りたいですね。

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