今回は、漠然と「石田流」に組んでいる時に遭遇する
☖６四銀（下図）から押さえ込まれそうになった時の受け方
を紹介します。
ノーマル三間飛車から石田流に組み替える時に使える手筋としてお役立てください。
油断ならない☖６四銀
上図は、☗７六飛 と浮き、着々と石田流への組み替えが進んでいる所です。
ここで☖５二金 のように指してくれれば☗７七桂（下図）と跳ねて石田流が安定しますが…
☗７六飛 のタイミングで後手から動く怖い一手があります。
それが☖６四銀（下図）です。
次に☖４二角 から☖７五銀 と押さえ込む手を狙っているので、ここで☗７七桂（下図）と跳ねてしまうと…
上図以下、☖４二角（下図）
すかさず角を引かれて作戦負けになります。
次の☖７五銀 が受からず、序盤早々に「やっちまった感」がありますね。
☖６四銀 と出られる前に☗７七桂 と跳ねていれば☖６四銀 に☗６五歩（下図）で銀を追い返せるんですが…
☗７六飛 の瞬間に☖６四銀（下図）と出られた形は…
「後手の攻め」に対して「単純な受け」では一手遅れている
のでそれが叶いません。
じゃあどうすればいいの？
というのが本題になります。
早めの☖６四銀 への受け方
早めに☖６四銀 と出られると７筋が受からないように見えますが、この形ならではの受け方があるので大丈夫です。
上図以下、☗５七角（下図）
５筋に角を上がる☗５七角 がその一手です。
パッと見は意味が分かりにくいですが、間接的に７筋を睨んでいるのがポイントで後手の攻めをギリギリ受けることができます。
上図以下、☖４二角（下図）
角を引いて☖７五銀 を狙ってきたら…
上図以下、☗６五歩（下図）
この突き出しが狙いの一手で後手の好きにはさせません。
☗５七角 のおかげで☖７五銀 には☗同飛 と取れるのが大きいですね。
ここで☖５三銀 と引いてくれれば☗７七桂（下図）と跳ねて好形になるので…
☗６五歩 は☖同銀（下図）と取るしかありません。
飛車取りの先手を取られて怖い気もしますが…
上図以下、☗７九飛（下図）
☗７九飛 と深く引き、次の☗７七桂 の銀取りを見せれば先手も充分戦えます。
さりげなく角の紐が飛車についているのがポイントですね。
上図以下、☖８六歩 ☗７七桂（下図）
薄くなった８筋を狙う☖８六歩 には、かまわず桂を跳ねて駒得を狙いにいけば互角の形勢です。
以下、☖８七歩成 なら☗６五桂（下図）と銀を取り…
次に☗７四歩 から飛車を活用する手を見せれば良い勝負です。
☗７七桂 にAIが示した最善手は☖６四歩（下図）と銀桂交換を受け入れる手でしたが…
上図以下、☗８六歩（下図）
慌てて銀を取らず、こちらも手を戻しておくのが冷静な一手です。
上図以下、☖８六同飛 ☗６五桂 ☖同歩 ☗７四歩（下図）
この進行が一例ですが、どう対応されても☗６五桂 ～ ☗７四歩 と飛車を活用する手を狙えば良い勝負です。
途中、☖８八飛成 と入られても飛車に紐が付いているので安心して攻められるのが大きいですね。
まとめ
ノーマル三間飛車から石田流に組み替えていると☗７六飛 のタイミングで☖６四銀（下図）と出てくる怖い手があります。
石田流にこだわらないなら☗７四歩 から一歩交換して飛車を引く展開もありますが…
ギリギリまで石田流を目指すなら☗５七角（下図）と上がるのがオススメです。
後手が妥協すれば☗７七桂 が間に合って石田流に組めますし…
☖４二角 から７筋を狙われても☗６五歩（下図）と反発すれば…
逆に後手の銀を目標に戦う振り飛車らしい展開に持ち込めますから。
上図以下、☖６五同銀 ☗７九飛（下図）
銀を不安定な位置に誘って飛車を引くまでが１セットです。
ここまでの手順を覚えておけば、簡単に押さえ込めると思った居飛車を困惑させることができますよ。
「あれ？」
ってなってるスキに☗７七桂（下図）から逆襲しちゃいましょう。
もし類似形に遭遇したらお試しください。
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