【３手必至】上下から包囲して２通りの詰みを狙う

 後手玉に３手必至が生じた局面です。

広そうに見えますが、持ち駒の「金」２枚 と「３一の竜」を的確に使えばそうでもありません。

包囲するように迫り、上下から２通りの詰めろを狙う必至を掛けてください。

解答・解説は数行下にあります。

解答・解説

初手は☗５一金（下図）から入ります。

以下、☖６二玉 には☗４二竜（下図）までの詰みがあるので…

上へ逃げる☖４三玉（下図）が正着です。

ここで上部へ逃がすと面倒ですが…

上図以下、☗５五金（下図）

この金打ちで上部を押さえれば必至になります。

次に☗４四銀 までの１手詰めと…

☗４一竜　☖４二飛　☗３二銀 までの３手詰めがあるので受けが難しいですね。

• ☖４四角
• ☖３五歩

の応手を元に詰みまでを解説します。

☗５五金 に☖４四角 の変化

☖４四角（下図）と上部からの銀打ちを受けた場合は…

下からの詰みが受かっていないので…

上図以下、☗４一竜　☖４二飛　☗３二銀（下図）

☗４一竜 からの３手詰めを決めれば勝ちです。

☗５五金 に☖３五歩 の変化

最長の粘りは☖３五歩（下図）と退路を広げる手ですが…

上図以下、☗４四銀（下図）

この銀打ちから詰むので問題ありません。

上図以下、☖３四玉　☗３三竜（下図）

竜を引きつけ…

上図以下、☖２五玉　☗２三竜（下図）

下への退路を断つ竜寄りで狭くすれば…

上図以下、☖２四歩　☗２六歩　☖１五玉　☗１六歩（下図）

手数の割には優しい９手詰めです。

ここまで読み切れていれば完璧ですね。

この問題のポイント

広い方へ逃がさない２つの金打ちが見えるかがポイントでした。

初手の☗５一金（下図）で６筋からの退路を断ち…

３手目の☗５五金（下図）で上下を包囲する…

寄せのお手本のような手順ですね。

今回の局面は検討で後手が逃げ間違えた変化なんですが、AIに示されるまで３手必至とは気づきませんでした。

広そうに見えたのにシンプルな挟撃であっという間に仕留められたとは…

玉は包むように寄せよ

の格言は知っていてもいざやるとなると難しいですね。