実戦から切り取った寄せの好手がある局面です。
６八の竜を☗６九歩 で追い払おうとした所ですが、ここで手を繋ぐ好手がありました。
持ち駒の金を上手く使い、竜を逃げずに迫る好手順を見つけてください。
解答・解説は数行下に書きます。
解答・解説
正解は☖８九金（下図）と捨てる手でした。
これが守備駒の弱点を突く好手で手が続きます。
以下、☗８九同銀 は竜が利いてるので無効。
☗９七玉 や☗９八玉 と逃げるのは☖７八竜 と銀を取りながら迫れるので玉で取るしかありません。
上図以下、☗８九同玉 ☖７九金（下図）
そこで☖７九金 と貼りつけば銀取りを受ける術がなく竜が働く展開になります。
上図以下、☗９八玉 ☖７八竜（下図）
金を犠牲に迫った上図は後手優勢の終盤戦です。
おまけの２問目 竜を逃げずに迫る
もう１つ寄せの好手があったので続けて出題します。
上図は☖７八竜 の王手を☗８八金 と受けられた所です。
本譜は☖８八同竜 ☗同玉 ☖７八金打 と重く迫ったんですが、AIで検討したら筋っぽい一手がありました。
竜を逃げずに寄り形を目指す好手を発見してください。
最善を尽くされると寄せ切るまでは難しいので、とりあえず初手だけ見つける感じでOKです。
２問目の解答・解説
正解は☖８六歩（下図）と打つ手でした。
ちょっとヌルそうに見えてけっこう恐ろしい狙いを秘めています。
このままなら☖８七歩成 の詰みを見ていますし、☗８六同歩 と取っても☖８七銀（下図）から詰みますから。
一間竜の基本形ですね。
以下、☗９七玉 ☖８八竜 までの詰みです。
なので☖８六歩 には☗７八金 と竜を取り、それを☖同金（下図）と取り返す展開になります。
竜を失って心もとない気がしますが、歩を打った効果で☖８八金打 ☗９七玉 ☖８七金 の詰めろになっているので大丈夫です。
先手は受けに回らなければいけません。
色々ある中でAIは☗８八飛（下図）と打つ手を最善と示していたのでこの手への応手を軽く紹介します。
候補手には
- ☖６七銀
- ☖８八同金
- ☖７七金
が挙がっていましたが、無難に迫るなら☖６七銀 と☖８八同金 でしょうか…
どれも後手優勢を示しつつも実は後手玉もけっこう危ないので難しいです。
とりあえず一番分かりやすい☖８八同金（下図）を一例として書いておきます。
上図以下、☗８八同玉 ☖８七歩成（下図）
歩の成り捨てから…
上図以下、☗８七同玉 ☖８九飛（下図）
取った飛車を活用するのが単純ながら強烈な一手です。
以下、☗８八歩 なら☖８六歩 ☗同玉 ☖９九飛成（下図）と迫り、☖９七銀 からの詰めろを掛ければ後手優勢で…
☖８九飛 に☗７八玉（下図）と逃げた場合は…
上図以下、☖８七金（下図）
金打ちから迫れば後手優勢になります。
以下、☗８九玉 と飛車を取ると☖８八銀 までの詰みなので逃げますが…
上図以下、☗６七玉 ☖７七金（下図）
金を捨て…
上図以下、☗７七同玉 ☖８五飛成（下図）
要の銀を取っておけば自玉を安全にしながら寄り形に持ち込んだ後手ペースです。
今回の反省点
竜取りの☗６九歩 に☖８九金 がすぐに見えたのは良かったんですが、数手後の☗８八金（下図）に困ったのがイマイチでした。
この先まで見通しを立てているからこその☖８九金 でないなら危なくてしょうがないですね。
AIが示した☖８六歩（下図）は参考になりました。
こういう手がすぐに浮かぶと寄せが楽しくなりそうです。
つい大駒に頼ってしまいますが、地味に小駒で手を繋ぐ感覚が大切なのかもしれませんね。
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