実戦でミスった所の正着を「次の一手」として出題。
☗４五銀 と歩を取りにいったら☖６五歩 と突っかけられた局面です。
薄くなった６筋を狙う嫌な手に見えましたが、これは先手の攻めを呼び込む悪手でした。
このミスに乗って石田流らしい攻めの形を作れば先手優勢になります。
明確に優勢になる一手を考えてみてください。
解答・解説は数行下にあります。
解答・解説
正解は☗６五同桂（下図）と歩を取る手でした。
これが石田流ならではの厳しい攻めを狙った好手で明確に先手優勢になる一手です。
この桂が急所の「７三」と「５三」を睨んでいるため、次の☗７四歩 を受けるのが難しいです。
- ☖６二金
- ☖４二銀
- ☖６四銀
などの応手があるのでそれぞれ解説します。
☗６五同桂 に☖６二金 の変化
まずは先手の狙いを説明しやすい☖６二金（下図）から。
薄い７筋をカバーした手ですが…
上図以下、☗７四歩（下図）
狙い通り歩を突けば攻めが決まります。
次の☗７三歩成 と☗５三桂成 の両狙いが受からず先手優勢です。
以下、☖７四同銀 や☖７四同歩 と７筋を受けてくれば☗５三桂成（下図）ですし…
桂成りを防いで☖４二銀 と受ければ☗７三歩成（下図）が強烈で後手陣は崩壊します。
これが理想形の１つなので石田流を指すならパッと☗６五同桂 を指せないとダメでしたね。
☗６五同桂 に☖４二銀 の変化
７筋をカバーしてもダメなら☖４二銀（下図）と中央を備える手が考えられますが…
これにはもう１つの攻め筋が決まります。
上図以下、☗７三桂成（下図）
いきなり桂を突っ込むのが好手です。これは取るしかなく…
上図以下、☖７三同桂 ☗７四歩（下図）
薄い桂頭を狙えば先手優勢です。
上図以下、☖７四同銀 ☗同飛 ☖６三金（下図）
☗７三歩成 を食らったら終わりなので歩を取って金で受けるくらいですが…
上図以下、☗７六飛（下図）
冷静に飛車を引いて☗７四歩 を見せれば先手優勢です。
以下、☖７四歩 と受けても露骨に☗６四銀 と打って攻めが続きます。
☗６五同桂 に☖６四銀 の変化
単純な受けではダメと見て☖６四銀（下図）と銀を活用する手もあります。
責められる駒を受けに使い、急所の２点を同時に受ける良い手ですね。
これには☗７三桂成 といく手もありますが…
上図以下、☗７四歩（下図）
シンプルに歩を突く方が最善でした。
角筋が通って銀取りになるのが気持ちいいですね。
以下、☖７四同歩 は☗６四角 が酷いので
- ☖６三金
- ☖８六歩
- ☖６五銀
などの受けが考えられますが、いずれも先手優勢になります。
色々と参考になる攻め筋があったのでそれぞれ解説します。
☗７四歩 に☖６三金 の変化
銀取りを受けつつ７筋を補強する☖６三金（下図）には…
上図以下、☗７三歩成（下図）
歩を成れば攻めが決まります。
以下、どれで取っても受けになりません。
☖同桂 なら☗６四角（下図）と銀を取るのが強烈で…
以下、☖同金 ☗７三飛成 と進んで後手陣は崩壊ですし…
かといって☗７三歩成 を☖同金 や☖同銀（下図）と取っても…
上図以下、☗７三同桂成 ☖同金（☖同桂 なら☗７四歩）☗５三角成（下図）
桂成りから☗５三角成 があります。
「と金」を取ってもダメなら☖６五銀（下図）と桂を外す手もありますが…
上図以下、☗６五同歩 ☖７三金 ☗５三角成（下図）
冷静に銀を取られると結局☖７三金 と手を戻すしかなく☗５三角成 が決まります。
☗７四歩 に☖６三金 と受けるのは逆に攻めを成立させやすい形にしてしまった感がありますね。
☗７四歩 に☖８六歩 の変化
数を足して受けるのがダメなら☖８六歩（下図）と角の利きを止める手が考えられます。
たまに見る引き算の受けですね。
上図以下、☗８六同飛（下図）
これには堂々と飛車交換に応じれば先手優勢になります。
上図以下、☖８六同飛 ☗同角 ☖６五銀（下図）
結局、銀取りになったので☖６五銀 と桂を外すことになり…
上図以下、☗６五同歩 ☖８九飛 ☗８二飛（下図）
飛車を打ち合った上図は先手に分がある終盤戦です。
以下、☖４二金右 と受ければ☗６四歩 から「と金」を作ればいいですし…
☖８七飛成（下図）と角の動きを縛ってきた場合は…
上図以下、☗５二飛成 ☖８六竜 ☗４一銀（下図）
少し強引ですが上図のように絡めば先手優勢のようです。
以下、☖４二金 と竜に当ててきたら☗同竜 ☖同銀 ☗３二金 と絡み…
☖３三金 とかわしたら☗３二金 から強引に絡む手をAIは示していて先手優勢（1200点くらい）と評価しています。
美濃囲いに手が付いていないので食い付ければ勝ちのようです。
☗７四歩 に☖６五銀 の変化
引き算の受けとしては☖６五銀（下図）と急所の桂を外す手もあります。
上図以下、☗６五同歩 ☖７四歩 ☗６四角（下図）
これには冷静に銀を取り、後手も歩を取る展開になります。
そこで☗６四角 と覗くのが定番の一手ですね。ここからは手が広いので一例になりますが…
上図以下、☖９二飛 ☗９六香 ☖６三金 ☗４六角（下図）
お互いに受け寄りの手で進み…
上図以下、☖５四桂 ☗同銀 ☖同金 ☗７四飛（下図）
最終的には飛車を活用できた先手ペースになるようです。
実戦で指したのは☗６五同歩 でした
局面を戻し、私が指したイマイチな手順を振り返っておきます。
桂で取れば強烈な攻めが続いたのに、私が指したのは☗６五同歩（下図）と歩で取る手でした。
２択で間違えるいつもの筋悪ですね。
上図以下、☖９五香 ☗９六歩 ☖同香（下図）
これはこれで先手ちょい有利なんですが、端から手を作られて面倒です。
上図以下、☗９六同飛 ☖７七角成（下図）
強引に飛車をそらして桂を取るのが定番の反撃ですね。
ここで一発☗６四歩 と突いて乱しておく方がよかったみたいですが…
上図以下、☗９一飛成 ☖８四飛 ☗７四歩 ☖９九馬（下図）
単に飛車を成ったので良くなるチャンスを逃した感があります。
上図以下、☗６四歩（下図）
この☗６四歩 も筋が悪く、ここは☗７三歩成 ☖同桂 としてから☗６四歩 と突き、竜の利きを穴熊に通しておく必要がありました。
上図以下、☖７四銀 ☗３四銀 ☖４四馬（下図）
トドメの筋悪が☗３四銀 で、馬を引き付けられた所で形勢は後手持ちの互角（-250点）になってしまいました。
☗３四銀 の所では☗７五角（下図）と指すのが正着で…
上図以下、☖７五同銀 ☗９九竜（下図）
馬を消しておけばまだいい勝負だったようです。
ことごとく正着を外して自ら負けに突っ込む感じ…
筋が悪いってのは罪なもんですね。
今回の反省点
ミスに乗った絶好の桂跳ねを逃したのが痛かったです。
石田流を指すなら喜んで☗６五同桂（下図）と取れないと話になりません。
基礎がまったく身についてないのがハッキリしました。
根本的な攻め筋を叩き込むために定跡書の読み返しが必要ですね。
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