正しく指せれば後手が勝てる終盤戦です。
☗３三銀 と挟撃体制を作られ窮地に追いやられた後手玉ですが、シンプルな一手で助かっていました。
詰めろを受けながら手を稼ぎ、☖４九成桂 を間に合わせる凌ぎの一手を考えてみてください。
ものすごく普通の手なので難しく考えなくて大丈夫です。
解答・解説は数行下にあります。
解答・解説
正解は☖４四歩（下図）と退路を広げる手でした。
これが☗４五桂 の１手詰めを受けながら手を稼ぐ好手で後手優勢になります。
次に☖４三玉 と逃げた形が広く、「桂」と「香」では続く手が難しいですね。
AIが候補に挙げていた
- ☗６三銀成
- ☗４六香
を例に続きを解説します。
☖４四歩 に☗６三銀成 の変化
☗６三銀成（下図）と強引に迫ってきた場合は…
無難に☖４三玉（下図）と逃げ…
続く☗３六香（☗３二銀不成 からの詰めろ）に☖３四歩（下図）と受け…
銀取りと☖４九成桂 を見せれば勝ちですが…
あえて☖６三同桂（下図）と取る変化もあったのでそちらを紹介します。
銀が手に入り先手玉が詰めろになったため…
上図以下、☗４一竜 ☖３九角（下図）
金を取ると☖３九角 から詰んでしまうのが辛い所です。
以下、☗同金 は☖同竜 ☗同玉 ☖４八金 からの優しい詰みですし…
上図以下、☗３九同玉 ☖４八角（下図）
玉で取っても角を打ち込めば…
上図以下、☗２八玉 ☖３九銀（下図）
数の攻めで詰みます。
以下、☗同金 ☖同角成 ☗１八玉 ☖２八金 までですね。
この詰みがあるので☖６三同桂 には☗３九香（下図）のように受けに回らなければならず…
そうなると銀を捨てた意味がありません。
上図以下、☖６四玉（下図）
「受けには受け」
と☖６四玉 から入玉を目指せば後手勝勢です。
上図以下、☗５八金 ☖４九銀（下図）
先手は成桂を外すくらいですが、銀で絡み…
上図以下、☗４八金 ☖３八銀成 ☗同金 ☖７五玉（下図）
金を遠ざけてけから☖７五玉 と上がれば盤石ですね。
☖６六玉 だけじゃなく☖８七銀成 ～ ☖８六玉 と入玉する手もあって捕えるのは至難の業です。
☖４四歩 に☗４六香 の変化
後手玉に迫るなら☗４六香（下図）の方が自然ですね。
これは詰めろではないので…
上図以下、☖４九成桂（下図）
金を取れば後手の勝ち筋です。
上図以下、☖４四銀成 ☗４二玉 ☖３四成銀（下図）
開き王手で迫るのが怖い手順ですが…
上図以下、☖３二玉 ☗６二竜 ☖４二歩（下図）
先手玉に☖３九角 からの詰めろが掛かっているので、王手にならない「３二」に逃げ、竜の王手も☖４二歩 と受けておけば大丈夫です。
上図以下、☗２六歩 ☖４八成桂（下図）
詰めろを受ける☗２六歩 には、再度☖４八成桂 と詰めろで迫れば応手が難しいです。
（次に☖３八成桂 からの詰み。詳しい手順は昨日の実戦詰将棋を参照してください）
以下、☗２七玉 なら☖３八成桂 ☗３六玉 ☖２七角（下図）が好手で…
以下、☗同玉 なら☖２九竜 ☗３六玉 ☖２五銀 からの詰みがあり…（☖２五銀 以下の詰み手順はこちらの記事を参照してください）
それを避けて☗３五玉 と逃げても☖２四銀 からの詰みがあって後手の勝ちになります。
（詳しい詰み手順はこちらの記事を参照してください）
☗２七玉 がダメなら☖４九香（下図）のような受けも考えられますが…
上図以下、☖３八成桂 ☗同玉 ☖４九竜（下図）
竜を切る強手があって受けになりません。
以下、☗同玉 なら☖５八金 からの詰み…（詳しい詰み手順はこちらの記事を参照してください）
☗２七玉 なら☖３八角 ☗３六玉 ☖４七角成 ☗３五玉 ☖４六馬（下図）からの詰みがあります。
以下、☗４四玉 なら☖３五角（下図）が好手で…
以下、☗同成銀 なら☖４三金 まで。
☗５四玉 なら☖４五銀（下図）までの詰みですし…
☖４六馬 に☗２五玉（下図）と逃げても…
上図以下、☖１四金 ☗１六玉 ☖３八角 ☗２七桂 ☖１五金打（下図）
金打ちまでの詰みがあり後手の勝ちです。
今回の反省点
挟撃の☗３三銀 にはシンプルに☖４四歩（下図）と退路を広げれば勝てる流れだったのに…
対局中はこの手が見えず☖６二金（下図）と打ち…
上図以下、☗６二同竜 ☖同玉 ☗６四香（下図）
竜切りからのキレイな詰みを食らって負けました。
以下、☖５三玉 は☗６三金 ☖同桂 ☗同銀成 まで。
☖５二玉 は☗６三金 ☖同桂 ☗同銀成 ☖５一玉 ☗６二成銀 まで。
☖６三角 は☗同香成 ☖同桂 ☗７一角 ☖５二玉 ☗５三香 まで。
☖６三飛 は☗同香成 ☖同桂 ☗６一飛 ☖５二玉 ☗６三飛成 ☖５一玉 ☗６一竜 まで。
いずれも４筋方面を封鎖した☗３三銀 が光る詰み手順ですね。
☖４四歩 が見えなかったのは痛かった…
こういう単純な手の見落としはキツイですね。
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