【終盤の凌ぎ5】明暗を分けた2択

2024/08/10

終盤の凌ぎ

t f B! P L

 今回は、勝勢だったのに1手のミスで台無しにした局面を元に「凌ぎの一手」を出題します。

いきなり問題図を見ても分かりにくいと思うので4手前の局面(下図)から手の流れをご覧ください。


上図は後手の攻めが一段落して反撃のタイミングがきた所です。

上図以下、☗5二桂成(下図)


まずは待望の桂成りから寄せにいきました。

以下、☖同銀 は☗2一竜 までの詰み。

☖同金 は☗4一竜 と銀を取って一気に寄り筋に入るので…

上図以下、☖4八と(下図)


成桂は相手にせず、ジッと「と金」を寄ってプレッシャーを掛けるのが終盤ならではの好手です。

これは☖3九銀 ☗1八玉 ☖2八金 までの詰めろなので受けなければいけません。

上図以下、☗1六歩 ☖3九銀(下図)


退路を広げた☗1六歩 に☖3九銀 の王手を掛けてきたのが問題の局面です。

この時、盤面全体を冷静に見ておらず

「これは玉を逃がすだけの悪手じゃない?」

「金1枚では詰ますのが難しいからどう対応しても勝ち」

と油断したのが災いし、致命的な悪手を指して逆転を許してしまいました。

私が見落とした一手を考えながら

  • ☗1八玉
  • ☗1七玉

のどちらへ逃げるのが勝勢をキープする一手かを考えてみてください。

ヒントは「詰めろで質駒を取られるとダメ」です。

解答・解説は数行下にあります。




解答・解説

正解は☗1八玉(下図)と逃げる手でした。

なんでこの手が正解なのかはハズレの変化を見ると分かりやすいので、まずは☗1七玉(下図)と逃げて逆転を許した実戦の変化から解説します。


パッと見は先手玉が安全に見えますが、これは成桂が質駒になっているのをウッカリした悪手でした。

上図以下、☖5二金(下図)


成桂を取られた瞬間、桂打ちからの詰めろになってしまうのが☗1七玉 の欠点です。

もし☗4一竜 と寄せにいくと☖2五桂(下図)と打たれ…


以下、☗1八玉 なら☖2八金 まで。

☗2六玉 なら☖3五金 ☗1五玉 ☖1四歩(下図)まで…


美濃詰ましの基本パターンで仕留められてしまうので受けに回らなければいけません。

ここにきて手番を握られるのはキツイですね。

実戦は☗3六歩(下図)と詰めろを受けましたが…


上図以下、☖5一歩(下図)


この余裕を活かして底歩を打たれると一気に後手玉が遠くなり、先手勝勢から後手有利に入れ替わってしまいました。

食らった側としては悔しいですが、☗1七玉 のスキを突く見事な凌ぎでしたね。

正解の☗1八玉 の変化

☗1七玉 がダメな理由が分かった所で正解の☗1八玉(下図)の変化を解説します。

☗1八玉 と逃げた場合は☖5二金 と成桂を取っても詰めろにならないので☗4一竜(下図)と銀を取って先手の勝ちです。


以下、☖3一金 なら☗3二銀(下図)と取るに取れない銀を打てば寄り筋です。

以下、☖同金 は☗2一竜 までの詰み。

☖4一金 は☗2一銀成 ☖同玉 ☗4一竜 から詰むので…

上図以下、☖5一歩 ☗2一銀成 ☖同金 ☗3二銀(下図)

底歩で竜の利きを止めるくらいですが☗2一銀成 ~ ☗3二銀 としつこく絡めば受けがありません。


☗4一竜 に☖5一金打 と外から打ってきても☗3二銀(下図)と打てば寄り筋です。


以下、☖3一桂 なら☗2一銀成 ☖同玉 ☗3二銀 ☖1一玉 ☗2一金 までの詰み。

☖4一金 と竜を取っても☗2一銀成 ☖同玉 ☗4一竜(下図)と迫れば…


何を合駒しても☗3二金 からの詰みが受かりません。


☗1八玉 に☖5二金 と成桂を取る手がないなら☖3八と(下図)と寄るくらいですが…


上図以下、☗5五角(下図)


詰めろで角を打てば先手の勝ちです。

この手は☗2二角成 ☖同玉 ☗3一銀(下図)からの詰みを見ています。(詳しい詰み手順は昨日の記事を参照してください)


なので何か受けなければいけませんが、☖3一金(下図)のように金を使ってくれれば…

上図以下、☗6六角(下図)


攻め駒不足になって先手玉への脅威が消えるので☗6六角 と金を取っておくくらいで先手勝勢になります。

以下、☖2八銀不成 なら☗2六歩(下図)と退路を広げ…


以下、☖5二金 と成桂を取ったら☗2七玉 と上部脱出をして安全勝ちを目指せばいいですし…

☖3七と(下図)と上部脱出を阻止しようとしてきたら…


上図以下、☗3七同桂 ☖同銀成 ☗4二成桂 ☖同銀 ☗5五角打(下図)


攻防の角打ちを決めれば勝ちです。

途中、☗4二成桂 の所で☖3五桂 と詰めろで打ってきた時は☗2八銀 と受ければ問題ありません。


☗6六角 に☖5二金(下図)と単に成桂を取ってきた場合は…


上図以下、☗4一竜(下図)


竜切りから寄せにいけば勝勢です。

このままだと☗2二角成 から長手数の詰みがあるので…(詳しい詰み手順は明日、実戦の詰みとして記事にします)

以下、☖4一同金 と取るくらいですが☗同竜(下図)と取っておけば受けが難しいです。


AIは☖3三飛 と受けるのを最善と示しましたが、それには☗3二銀(下図)と打っておけば寄り筋です。

以下、☖3一桂 なら☗3三角成(下図)と飛車を取れば必至ですし…


かといって☖3二同飛 と銀を取っても☗同竜(下図)と取れば寄り形です。


以下、☖3一銀打 は☗同竜 で受けにならないので☖3三銀打(下図)と受けますが…


上図以下、☗4一飛(下図)


落ち着いて詰めろで迫れば受けが難しいです。

上図以下、☖3一桂 ☗同飛成 ☖同銀 ☗3三角成 ☖2二飛(下図)


桂打ちから粘ってきても…

上図以下、☗3一竜(下図)


これで必至になり先手の勝ちが確定します。

今回の反省点

「もう安全だからどう指しても勝ち」

と油断して☗1七玉(下図)と雑に逃げたのがマズかったです。

勝った気でいる所で食らった起死回生の☖5二金(下図)には愕然としましたよ…

最後の最後まで気を抜いちゃいけない

と分かっていても緩んでしまう甘さはいつになっても治りません…

もっと集中して指さないとダメですね。

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