【終盤の凌ぎ1】攻め駒から遠い所へ逃げる

2024/06/08

終盤の凌ぎ

t f B! P L

 居飛車左美濃 vs ノーマル三間飛車 の中盤戦です。


角を詰まして後手優勢になった所ですが、先手からの強襲を受け間違えて負けました。

上図以下、☗2四飛 ☖同飛 ☗7三角打(下図)


飛車と角を刺し違えてガツンと打ち込んできたのがその一手です。

駒の利きは先手の方が多く、取ると危なそう…

かといって逃げても玉が狭くて心もとない…

「正しく指せれば後手優勢」

と言われても実戦の中で正確に応じるのは難しい…

逃げ方としては

  • ☖7一玉
  • ☖7二玉
  • ☖9二玉

の3通りあり、この中の1つだけ形勢を損ねる悪手があります。

実戦はその悪手を指してあえなく寄せ切られてしまいました。

ここは少しでも手を稼ぎ、☖2九飛成 と桂を取って☖7六桂 からの寄せを間に合わせる必要があったようです。

先手の攻めをかわし、反撃を狙うにはどこへ逃げるのがいいでしょうか。

☗7三角打 への正しい応手を考えてみてください。

解答・解説は数行下にあります。




解答・解説

正解は☖9二玉(下図)と端へ逃げる手でした。


これが意外としぶとく、持ち駒がない先手は一気に迫るのが難しいようです。

次の☖2九飛成 が早いので攻め駒を補充しに☗6二角成(下図)と指すのをAIが推奨していましたが…


上図以下、☖6二同金 ☗同角成 ☖2九飛成(下図)


素直に応じておけば☖7六桂 の詰めろを見た後手の攻めが早いです。(☖7六桂 以下の詰み手順はこちらの記事を参照してください)

先手は☖7六桂 を受けなければいけませんが、イマイチしっくりくる手がありません。

☗7七銀引 なら☖6五銀 と桂を取っておけば後手玉が安全になりますし…

☗7七金(下図)と受けても…


上図以下、☖2八飛(下図)


シンプルに飛車を打てば一手一手の寄りになりますから。

上図以下、☗7九金打 ☖4七角(下図)


受けるなら金を打つくらいですが、それなら後手玉が安全になるので☖4七角 と単純に迫って後手勝勢です。

☗7三角打 にはこういう展開を読めるかが勝負の分かれ目でした。

実戦で指した悪手

私が実戦で指したのは☖7二玉(下図)と広い方への逃げを目指す手でした。


これは勝手読みで☗9一角成 ☖8四銀 みたいな展開になると思い込んだ悪手です。

この手を指した瞬間、形勢は互角(+-50点)に戻りました。

正解の☖9二玉 と比べると攻め駒に近づいて危険だったようですね。

ジッと☗7四歩(下図)とされるくらいで受け切るのは容易ではありません。



実戦の進行は☖7二玉 に☗5一角成(下図)だったので後手有利に戻ったんですが…


上図以下、☖8四銀 ☗同馬 ☖8二香(下図)


この香打ちが食い付きを許す疑問手で形勢は微妙になりました。(正着は☖6二角 と受ける手だったようです。ただ、これはこれで難しい将棋になります)

上図以下、☗7三銀(下図)


玉頭から攻め込まれる最悪の展開です。☖7二玉 が祟ってますね。

ただ、ここは☖同桂(下図)と取っていれば凌ぎの妙手っぽい手があって後手有利(-400点)だったみたいです。


ちょっとその手を紹介します。

上図以下、☗7三同桂成 ☖8一玉 ☗8三桂(下図)


完全に上部を押さえられた所で…

上図以下、☖9二香(下図)


香を1つ上がって取れない形にすれば寄せ切るのは難しいようです。

これは見えない…

AIの終盤力は恐ろしいですね。


本譜は☗7三銀 に☖7一玉(下図)と逃げたので明確に後手敗勢になりました。


上図以下、☗8二銀不成 ☖同玉 ☗8三香(下図)


打った香が絶好の攻め駒にされ…

上図以下、☖7二玉 ☗7四歩(下図)


玉頭を制圧されて受けがありません。

ここから数手後に基本に忠実な5手必至を食らって投了となりました。

その必至は次の記事で出題しようと思います。

☗7七角打 に☖7一玉 は次善手でした

局面を☗7三角打 に戻します。

正解は☖9二玉、悪手は☖7二玉 ですが、もう1つの候補手☖7一玉(下図)は次善手なので大きくハズレてはいません。


同じ7筋でも7一へ逃げていれば難しいながら後手も戦えました。

最後に軽く補足しておきます。☖7二玉 との違いは…

上図以下、☗7四歩 ☖7二歩(下図)


急所の7三を受ける☖7二歩 が打てる所です。

これがあるかないかでしぶとさが大きく違います。

上図以下、☗5一角成 ☖8四銀 ☗同馬 ☖8二香(下図)


同じように進んだ時、玉が低いのと☖7二歩 の効果で簡単に寄りません。

ここから色々変化あって難しいんですが、機を見て☖2九飛成 と桂を取り、☖7六桂 を含みに一手稼いでペースを掴めるようです。

戦場から1マス遠いだけで全然違うんですね。

この辺の距離感がズレている内は勝てる将棋を逃し続けそうです。

今回の反省点

反省点は、この手の選択肢で唯一のハズレを選んでしまう筋の悪さですね。

広い方へ逃げるにしても攻め駒に近い所へ逃げる☖7二玉 を選んでしまうのはヘボすぎでした。

高校生の頃から治らない筋の悪さはもうどうにもならない気がします。

もし改善するとしたら

「迷ったら直感と逆にいく」

くらいでしょうか…

いつもハズレを引いてるのを考えるとアリかもしれません。


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